表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
the keys  作者: 羽村奈留
39/158

第39話:コトック家11

 魔法剣士は床に座り込んでいるラーグを取り囲んだ。

「戦意は感じないが、油断はするな」

 魔法剣士の一人がラーグの前に立つ。

「鍵はどこだ?」

 ラーグは返事をしない。憔悴しきった表情を魔法剣士に向けるのみ。

 魔法剣士はラーグの襟首を掴んで持ち上げる。

「おい。答えろ!」

 ラーグは、その剣士の腕を掴んだ。

「お前たちも、サザーランド国の魔法剣士なのか?」

 魔法剣士は、ラーグの無様な姿を見て笑う。

「だったらどうだというんだ? ローラン国の英雄ラーグ殿」

 周りを囲んでいる魔法剣士もラーグを見て笑う。

 ラーグの表情が怒りに変わった。

「なぜ妻を、家族を殺した? 戦争の恨みなら、元軍人である私に向ければいいだろ」

 笑いは更に大きくなる。

「英雄殿は、勘違いをしておられる。戦争は鍵を得るためのもの。鍵が手に入るならコトック家の人間など、どうでもいい。大人しく我がサザーランド国王に鍵を捧げていれば多くの命を失わずに済んだのだ。貴殿の家族もな」

 魔法剣士は剣をラーグに向けた。

「これで分かっただろ。さあ、大人しく鍵を渡せ!」

 ラーグは立ち上がる。小刻みに震えるほど全身に力を入れて大きく息を吸い込んでから、体内で渦を巻いている怒りと悲しみと憎しみの全てを吐き出して叫んだ。

「殺してやる!」

 同時に、ラーグの全身が淡く輝き出す。

 後方にいる魔法剣士が言う。

「魔法が発動しています」

 黒尽くめの魔法剣士は条件反射で身構える。剣についている魔法器も作動して剣が淡い光に包まれる。

「どこで魔法が発動している?」

「その者からです」

 後方の魔法使いはラーグを示す。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ