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the keys  作者: 羽村奈留
135/158

第135話:ローラン国王5

『そうだ。ラーグ。その火の魔法は、全てお前のものだ』

「よし、ならば――。メルトソード!」

 ラグは、手に高熱の剣を現した。それで目の前の金属兵士を一刀両断する。

 金属兵士は高熱の剣に裂かれて蒸発して消えていく。蒸発では再生できず、みるみるうちに金属兵士の数が減っていく。

 ニックは言う。

「火の鍵の継承者として覚醒したのか」

 オーカスはラグの魔法を見て喜ぶ。

「火の鍵の魔法が使えるようになったのですね」

「これが魔法なのかよう判らんが、楽に戦えるようになったのは確かだ」

 ラグは瞬間移動して剣を振り回していたが、その剣を浮上し続けているローラン国王に投げつけた。

「逃がすか」

 剣は何本にも分かれて機械のゆりかごに刺さり、ゆりかごになっている金属を溶かしていく。ローラン国王は嘲笑する。

「ラーグ。今頃火の鍵の継承者として覚醒しても遅いわ」

 機械のゆりかごはローラン国王を乗せて天井のシステムと合体し、ゆりかごは天井に吸収されてしまった。ローラン国王がいなくなった部屋は壁からガスが吹き出す。

 オーカスは咳き込んだ。

「また毒ガスです」

 ニックは水の壁を作って言う。

「吸い込むな。さっきのガスより毒性が上だぞ」

「息が苦しい。少し吸い込んでしまったようです」

 オーカスは呼吸困難を訴えて座り込む。

「おいおい」

 ニックは水魔法を使ってオーカスに触れて体内の毒を中和する。

「どうだ?」

「楽になりました。鍵の水魔法って凄いですね」

 にこやかに言うオーカスを見て、ニックはときめきを覚え心の中で思う「かわいい」と。しかし、最愛のラグの事を思い出し、ラグの状態も心配する。

「ラグ。毒ガスだ。大丈夫か?」

 ラグは高熱で白く光る剣を何本も出して、ローラン国王が吸収された天井に投げつけている。ラグの周囲も高熱化しているようで、床が溶けて足場が悪くなると、瞬間移動で場所を変えて、ローラン国王が吸い込まれていった天井を攻撃していた。

 ニックは唖然とする。

「こりゃダメだ。ラグは頭に血が昇り過ぎて、俺の声が聞こえていないみたい」

 オーカスもラグを見る。

「でも、ラグを囲む高熱がバリアの代わりをしているみたいで、毒ガスはラグに届いていないようです」

「あれも無意識でやってるんだよな。きっと。すげぇな。益々惚れてしまう」

 ニックはうっとりとした表情でラグを見つめた。

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