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the keys  作者: 羽村奈留
131/158

第131話:ローラン国王1

 ローラン国王はラグたちを探すために巨大飛空艇の隅々まで神経をいき渡らせていた。

「どこを探しても、ネズミ一匹見つからん。外に出たこん跡も見当たらぬとは」

 壁を埋め尽くして並んでいるシステムもフル稼働してラグたちを捜索している。

 その時、システム覆い尽くされているに部屋の床からニックのウォーターカッターが飛び出した。高速回転する水の輪は床を滑ってハート型の穴を開ける。

 巨大飛空艇のシステムはそれを感知して警報を鳴らした。

「侵入者有り。侵入者有り。ただちに防衛態勢に入れ」

 床からまたもや金属の兵士が現れる。天井や壁からは、光線砲がついた機械の塊が出て来た。

 そこにラグたちは、穴から浮上して現れた。

 ラグたちが穴から出たあとハート型の穴は自己修復をして塞がっていく。

 オーカスは魔法器に触れエネルギーフィールドを作り光線からラグとニックを守る。

「賢者ケルティックによると、ここにローラン国王がいるとの事ですが、見当たりませんね」

 オーカスはゆりかご型の機械の中にローラン国王が入っている事に気付いていない。

 魔法が使えないラグは金属兵士から剣を奪い、戦って金属兵士を足止めする。

「賢者ケルティックは、本当にここにローラン国王がいると言っていたのか? ニック」

 ニックは水の輪でラグが足止めしている金属兵士を切断していく。

「ああ。今もここにローラン国王がいると言っている」

 オーカスは魔法を発動して戦いながら叫んだ。

「ローラン国王。どこにいらっしゃるのです。お迎えに参じた私の前に、お姿をお見せ下さい」

 ローラン国王は機械の中でラグたちを見ていた。

 システムはローラン国王に告げる。

「侵入者は、有機ロボット格納庫より、ここに侵入したもよう」

 ローラン国王は苦笑した。

「人形が人形倉庫に隠れるとは、見つからん訳だ」

 ローラン国王を包んでいる金属が波打って動き、表面に溝ができ、やがて溝はアケビのようにぱっくりと開いた。

 ラグたちの前にローラン国王は姿を現した。頭に王冠は無く、眼も耳も口もコードが侵入し、金属が体全体に張り付き顔や頭までも覆っている。

 オーカスは、人とは思えない姿になってしまったローラン国王を見た。

「なんというお姿に……」

「シーライトよ。命令だ。今より飛空艇団と共にサザーランド国に向かい王都を襲撃せよ」

「何をおっしゃっているのです。戦争は既に終わっているのですよ。王よ」

 ニックが怒って、水の輪をローラン国王に投げる。

「冗談じゃねえぞ。ローラン。俺の兄貴を戦争に託けて殺し、今度は王都を襲撃だと。ふざけるな!」

 水の輪はローラン国王を守るシステムにより光線で打たれ、一瞬にして蒸発する。

 ローラン国王は言う。

「我が国を襲うサザーランドという脅威を壊滅しなければ、戦争は終わった事になどならん」

 ラグも言う。

「ローラン国王よ。例え王都を襲撃しサザーランド国を壊滅状態にしても、第二第三のサザーランド国が生まれ、王都を攻撃した我らを憎む事になります。そんな事は繰り返してはなりません」

 ラグは金属兵士に押されて壁に手をつく。手をついたところにボタンがあり壁の一部が扉として開く。

 扉の向こうには何人もの研究員が殺されて床に倒れていた。

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