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the keys  作者: 羽村奈留
129/158

第129話:ゆりかご2

 ラグは食い入るように見ていたが、キリエラとの違いに気付いてガラスケースから手を放した。

「そっくりだが、若過ぎる」

 オーカスはガラスケースの横にある画面を見て言った。

「この女性は、製造番号コトック01‐224となっています」

 ニックがラグに言う。

「神々は、神の姿に似せて俺たちを作ったそうだが、それがこれなんじゃないのか」

 ラグが隣のガラスケースを見ると、ラグにそっくりな灰色の髪の男性が液体の中で眠っていた。

「今度は俺にそっくりだ」

「ラグより若くて素直そうだ」

 ラグがニックを睨んでいる横でオーカスは、ガラスケースの横にある画面を見て言う。

「こちらは、製造番号コトック02‐225、となっています」

 隣の列のガラスケースを見ると、賢者リーにそっくりな女性と男性が液体の中で眠っている。

 オーカスは画面の情報を次々に読んでラグたちに伝えた。

「製造番号リー01‐212と、リー02‐213です」

 次の列ではオーカスにそっくりな女性が液体の中で眠っている。

「私そっくりの……」

 オーカスは画面情報を読むのを忘れてガラスケースに入った自分そっくりの女性を見ている。

 ラグとニックもオーカスにそっくりな女性を見た。

「そっくりというより、年恰好といいオーカスそのものじゃないか」

「うん。膨らんでいる所といいくびれている所といい、全く同じだねぇ」

 ラグとニックの視線が下半身へ移動した時、オーカスはガラスケースに飛びついて、液体の中で眠っているオーカスにそっくりの女性の裸を隠した。

「私の裸を見ないで。あ、その、私じゃないんですが、この女性は見ないで下さい」

「すまん。つい見てしまった」

 ラグはオーカスの心情を察してすぐに謝るが、ニックはにやつきながらオーカスに近づく。

「画面情報を読んでくれよ」

「読まなくても、製造番号、シーライト何番になっていると思いますから、ここは通り過ぎて、次へ行きましょう」

 オーカスはラグとニックを連れて次の列のガラスケースへ行く。

 液体の中には白い肌の金髪の女性が眠っている。

 オーカスは画面情報を読む。

「こちらは、製造番号ケルティック01‐257です」

 ラグは、ニックと見比べてから次のガラスケースへ行き、金髪の男性とも見比べる。

 男性も金髪で白い肌をしている。

「夢の中で会った賢者ケルティックとは似ているが、お前の赤い髪と黒い肌は全然違うじゃないか。ニック、お前は本当に賢者ケルティックの末裔なのか?」

 ニックは笑いながら言った。

「いきなり何を言うかと思えば、俺は正真正銘ケルティックの末裔だよ。腕に水の鍵があるのを見たでしょ」

 ニックがオーカスを見ると、オーカスは確かに水の鍵が腕にあったと頷く。

 ニックはガラスケースに入っている金髪の男性に指をさして言う。

「それにほら、中の男の股間を見ろよ。俺と同じ大きさ」

 オーカスは赤面した。

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