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the keys  作者: 羽村奈留
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第107話:名も無き土地5

 オーカスは飛空艇を見上げながら言う。

「私の連絡を受けて、王直属の飛空艇団が来てくれたようです。これでもう安心ですね」

 ラグは激戦だったアルランドの戦いを思い出して言う。

「飛空艇団を察知して、サザーランド国の軍がこなければいいが」

 ここで両国の軍が睨み合いになれば、またここが戦場になる。ラグの胸に心配がよぎる。

 ニックは立ち上がって言った。

「こんな大きな飛空艇が何隻も移動したらサザーランド国だって気付くだろ。こりゃサザーランド軍も来るぞ。悪いが俺は逃げる。戦いに巻き込まれるのはごめんだからな」

 ニックは地竜に跨った。

 ラグが叫ぶ。

「おい。それは俺の地竜だぞ」

 ニックが逃げようとした時、地竜の頭に矢が刺さった。地竜はよろめいてニックを乗せたまま倒れる。

 ニックは地竜から投げ出された。怒りが込み上げてくる。

「どういうつもりだ?」

 ニックが起き上がり様にラグとオーカスを見ると、その後ろで着地する飛空艇が見えた。

 飛空艇から声がする。

「今より君たちはローラン国の保護下に入る。この地はサザーランド国と隣接しているため、指示が聞けぬ者は不審者と見なし攻撃対象とする」

 ニックは唾を吐いた。

「武力行使か。なんちゅう国だ」

「まだ国同士の争いは終わってないという事だ」

 ラグは、またイヤなものを見てしまったと、地面に横たわる地竜から目を背けた。

 着陸した飛空艇はかなりでかい。王家の紋章のある飛空艇から小型艇が飛び立ちオーカスの前に着陸する。

 オーカスは地面に片膝をついて小型艇から出てきたローラン国王を迎えた。

「直々の出迎え痛み入ります」

 ラグも自然と体が反応し地面に片膝をつけた。

 小型艇から親衛隊を引き連れて出てきた王は軽装ではあるが鎧を身にまとい、ローラン国の紋章が刺繍されたマントを羽織っている。ローラン国王はブーツの飾りを鳴らしながら歩いてオーカスの前に立った。

「よくぞ我が命を果たした。シーライト将軍。大義である」

「はっ」

 シーライト将軍と呼ばれたオーカスに、ラグは体の血が逆流するほどのショックを受けた。だが、自国の王の御前で頭を上げオーカスに聞き質す訳にはいかず、黙って地面を見続ける。

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