表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
the keys  作者: 羽村奈留
103/158

第103話:名も無き土地1

 オーカスは地竜に乗って移動しながら言った。

「最近、この辺りにはスクラップ屋が住み付き、廃材を売って生活をしているそうです。「名も無き土地」と呼ばれているこの土地に、そのうち町の名前がつくかもしれませんね」

 ニックはオーカスの後ろで赤い髪を揺らしながら言う。

「なら、名前を考えればいいんでないの。「交わりの地」ってどうよ?」

 間髪を容れずにラグが怒り口調で言った。

「貴様が「交わりの地」と名づけたら、しゃれにならん。ゲイで極彩色の偽ガイドに名前をつけられた土地など誰が喜ぶか」

「才色兼備な俺を、極彩色呼ばわりとは、つれないおっしゃりようだわ。あんたの連れは」

 ニックはオーカスに泣きついた。

「貴様! いい加減にしろ! オーカスに抱き付くな!」

 ラグはまた腹を立ててニックに暴言を吐く事になった。

 雲一つ無い快晴の空。この空の果てに秘宝があると賢者ケルティックはニックに言ったようだが、それらしき物は何も見えないとラグは思う。

 オーカスは辺りを見回す。

「ローラン国王に鍵と秘宝の情報を送ったら、秘宝探索の使者を派遣するので、名も無き土地で合流するようにと指示を受けたのですが、その使者はどこにいるのでしょう」

 ラグも散らばる破片を見渡しながら、いつもの冷やかし口調で言う。

「目印として、胸のポケットに黄色いハンカチを入れておくように頼んでないのか?」

 ニックも使者探しを手伝いながら言う。

「せめて待ち合わせの場所を指定しておかないと。こんなに広くては、すれ違うのも難しい」

「待ち合わせ場所を指定したら、お前がサザーランド国王に知らせるだろ」

 ラグは、まだニックが信用できない。

 ニックは諦め半分で言う。

「ラグが、キー・スピリッツと会話ができれば、俺の疑いが晴れるんだけど」

 ニックは言っているうちに空を飛ぶグリフィンを見つけた。

「あ、あんな高い所で、グリフィンが飛んでるわ」

 上半身は鷲、下半身はライオンの姿をした、体長十メートル以上はあるかと思われるグリフィンが悠々と空を飛んでいる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ