表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
the keys  作者: 羽村奈留
101/158

第101話:林の中で2

 昨夜、急いで逃げ出した事もあって積み荷に食料は積んでなく、朝食のメニューはとても淋しいものとなっている。人数は三人に増え、当然朝食の一人分の量も少ない。

 オーカスはすまなそうに盛り付けて、ラグとニックに手渡した。

「すいません。この辺りは木の実ぐらいしかなくて」

「アルランドでの食事に比べたら、木の実もご馳走だ」

 ラグはオーカスから朝食を受け取って食べるが、ニックは嫌そうに朝食を見て言う。

「こんなの食べたくないな。土の指輪を使って朝食を作ってよ」

「はあ? なんの冗談だ?」

 ラグは、ニックに襲われないように距離をとりつつ手早く食事を終える。

 ニックは朝食を置いて言った。

「あんたのキー・スピリッツだって言ってるだろ? 土の鍵の魔力を使えば、簡単に食物を生み出せるって」

「キー・スピリッツってなんだ?」

 ラグは、ニックの言う事が分からない。

「あんたの左小指にある指輪だよ。土の鍵の継承者なら賢者リーの声が聞こえるだろ?」

「いや。聞こえん。夢でなら賢者リーと話したことはあるが」

「夢?」

 ニックが困惑した表情になる。

 オーカスがニックに説明をした。

「ラグは、火の鍵の継承者なのです。左耳についてるあのイヤーカフが火の鍵なのですが」

 オーカスが示したイヤーカフを見てニックは驚く。

「火の鍵の継承者が、なんで土の鍵を継承してるんだ? てか、そんなの物理的に無理だ。俺たちkeysは、賢者の末裔ごとに定められた属性を持って生まれてくる。属性は絶対に変えられないから別の属性が生まれる事はない。それに鍵には意思があって同じ属性の者しか選ばないはずだぞ」

 オーカスは言う。

「土の鍵がラグを気に入ったようで、ラグの左小指から抜けないのです」

「マジかよ! 継承者が二つの鍵を継承するなんて、秘宝の歴史始まって以来の出来事だぜ。しかも賢者リーに気に入られるなんて、俺のラグへの愛はどうなるんだ」

 言ってからニックは脱力した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ