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おみきワンダーランド伝説  作者: 日永 未毬
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そこで、教会の神子様は言葉を切った。

……何その話。意味わからないよ。

私、斐伊川神貴(ひいがわ みき 16歳 高校二年生)は、混乱していた。

おみきワンダーランドとか、争いとか突然そんな話されても困る。

なんでこうなったんだ!


そう、あの時私は……









「おはよう、おみき」

私はいつものように親友のヒラオカッキーこと益岡・オディーラ・ヒラオカッキー(日本人とフランス人のハーフでめっちゃ可愛い)と、登校していた。

「おはようヒラオカッキー」

「おみき、今日メガネだね」

「うん。今日コンタクト入らなかった」

「なんか、懐かし。おみき高校入ってからコンタクトにしたからさ、メガネだと幼く見える」

「何歳くらいに見える?」

ヒラオカッキーは少し考えてから、

「50?」

何言ってんだてめえ。

「私はうら若き花の16歳のつもりだけど」

「おみき老けづらじゃん?普段60代のおばさんがコスプレしてるように見えるもん」

ヒラオカッキー……酷い。

私はヒラオカッキーから距離を取るように足を速めた。

「待ってよおみき。半分冗談だし!」

足の長いヒラオカッキーはすぐ私に追いついてきた。

「ああそう、半分ね。半分」

「これでも譲歩したほうじゃん!」

「もうヒラオカッキー知らないから、男子に告られてももう断り方考えてあげないから」

「そ、そそそれだけはやめて!お許しくださいおみき様!私モテすぎるから!それはそれだけは困る!」

そうなんだよなぁ。

ヒラオカッキーは容姿端麗、私以外にはかなり性格も良いと評判だ。

それに、この学園の理事長はヒラオカッキーのお父様。

この学園は幼稚園から大学まであるマンモス校だからヒラオカッキーはかなりのお嬢様だ。

中身はすごいけど、頭も良いし、なんで私とこんな仲良いのか不思議なくらい。

「おみきお茶飲むから止まるー」

とのことで、一旦私達は信号で立ち止まる。

ここはよく中高生の溜まり場になる信号で、待ち時間が長いことでも有名。

せっかくいつもなら大分待たなきゃいけない信号渡れるのに……。と、心の中で嘯く。

ま、心の広い私は立ち止まってあげた。

「あー暑い。地球温暖化私のパパが止めてくれないなぁ〜まだ五月だよ?」

「そだね、暑い。夏のコンクールの練習これ以上の暑さじゃ地獄になるんじゃない?」

「それはないよ。だってパパ私が部活頑張ってるって知ってるから音楽室空調とかきいてるし、エアコンもつく。楽器にも優しいよ」

「理事長それ職権乱用じゃないの」

「要はコンクールで結果出しゃいいのよ」

言ってなかったと思うけど、私達は中学校から吹奏楽部に所属している。

我が校の吹奏楽部は毎年県の代表に選ばれる少し強めの学校だ。全国へ行くのはなかなか難しいが、毎年いい線は行ってて、去年はあと2点あれば全国に行けてた。

今年はライバル校が3出で全国へ行けないからチャンスがある。

少し少人数なのが難点だけど、最近映画や漫画で吹奏楽が取り上げられることが多くなって来て、今年は一年生が例年よりたくさん入部した。

ちょっと語り過ぎたかな?私吹奏楽好き過ぎて……。もう少し喋らせて。

私の担当パートはパーカッション。主にシンバルかな?先輩引退したらきっと、ティンパニになるだろうけど。

ヒラオカッキーの担当パートはトランペットだ。流石ヒラオカッキーバンドの花形担当。目立ちたがりだからか、うまいのよ、ヒラオカッキーのトランペット。花がある。

「守邦も出れるといいな」

ヒラオカッキーがポツリと呟いた。

守邦も中学校からの吹部仲間で、ホルンを担当していた《・・》。

三ヶ月ほど前守邦は行方不明となった。未だ消息不明の状態で警察の捜査も難航しているようだ。

「守邦なら生きてるよ。あの藤咲先輩の指導に耐えた男だよ?」

「藤咲先輩怖かったけど、胸でかいからさ、守邦我慢してたんでしょ。目がエロかったもん」

「ヒラオカッキーでかいじゃなくて大きいとかにしら?お嬢様の発言じゃないよそれ」

「ははっ 。守邦戻ってきてよぉ?」

「ほんと。私ら、人数少ないから1人いないとすぐ音が薄くなるのよ」

「聞こえてないだろうけど。……朝からちょっと重かったな。じゃ朝練急ぐか」

私は頷いた。

と、私達2人は信号が赤になったのを見て歩き出した。

「ここの道信号長かったねーおみき」

うん…と頷こうとして思考がフリーズした。

先を進んでいるヒラオカッキーに車が迫っている。

キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイ

耳を掻きむしられるように、頭の中を掻き乱されるようにブレーキの音が聞こえた。


うん!信号赤だったよ‼︎しかも歩行者信号がね‼︎!(泣)私ら何やってんの!?

私はヒラオカッキーを助けようと手を伸ばした。

間に合わないっ!



一瞬のうちに目の前が真っ暗になった。




話や、設定でわからないところがあったらご指摘お願いします。

ちなみに、おみきの通っている学園の名前は「私立ヒラオカッキー学園」。

ヒラオカッキー、パパに愛されてます

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