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エピローグ

 これがプリン界を二分していた冷戦の終結。プリン史に残る最大にして、最後の戦争であった。


 互いに大きな敵を味方につけ、俺たちの大学は順風満帆なものとなった。大学に残存した小さなプリン派閥を取り込み、多くの仲間と共にプリンの未来を祝った。時折現れるゼリー党や杏仁共和国との争いは避けられなかったが、俺たちが卒業するころには笑顔で交友する仲になっていた。


 その後、光雄はプリン研究者の道へ進み、俺はイタリアへ渡った。プリンの本場で、一から自分を鍛えるためだ。修業は苛烈を極め、苦汁をなめる日々が続いた。それでも、あの寮で過ごした日々が俺の背中を何度も押してくれた。

 光雄とは連絡を取ることが少なくなった。ただ、プリン専門誌には頻繁に光雄が載っている。満足そうな笑みを見ていると研究者として成功しているようだ。


 俺はイタリアから日本に戻り、プリン専門店をオープンした。そこでプリンを愛する女性と巡り合い、結婚した。結婚式にはウェディングプリンを作り、多くの愛好家たちと分かち合った。もちろんその中には光雄の姿もあった。結婚式の写真の中で、俺は牛乳プリンを、光雄はプッチンプリンを持って笑っていた。


 プリン専門店も軌道に乗り、二号店もオープンした時に子供ができた。忙しい日々が続いていたが、家族三人でプッチンプリンを囲むのが何よりの楽しみとなった。妻の笑顔に癒され、息子の覚束ない食べ方に愛らしさを覚えた。

 ある日、プッチンプリンを食べていた妻がシルバースプーンを置いた。どうしたんだ? と問いかけた俺に、妻は微笑みながらお腹をさすった。



下痢か?



違う! 二人目の子供ができたのよ!



 俺は跳ね上がり、妻に抱きつこうとするも、グーで殴られた。それでも俺は幸福に笑みを絶やすことはなかった。

 妻の怒りが収まってから、妻のお腹をさすった。



この子がプリンを食べられるようになったら、牛乳プリンを買ってこよう。



俺の言葉に、妻は小さく頷いた。






 


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