ゾンビとスケルの間かな♪
「大変だ、大変だ、大変だ、大変だ~!!」
「なんだよ急に、社会派にでも目覚めたのかゾンビくん?」
「いやね、たまには清潔にしようかな~と思って長風呂した結果がこれです」
「変態だ~!!」
「いや待って。言いたいことは解るよ? 上はゾンビ、下はスケルトン、これな~んだ、俺。確かに変な具合になりましたけど、変態はないだろ?」
「いや、どこからどう見ても変態じゃん? 下半身丸裸じゃん?」
「いや、スケルトンは全半身裸だから。なら、俺の二倍は変態のはずじゃん?」
「まぁなぁ、確かに全裸ですけどー? スケルトンは全裸ですけどー? でも、お前のそれは無いわ。こう、黄色いトレンチコートを着て、通りすがりの冒険者にジャーンって感じ?」
「うわっ、女冒険者来ないかな? お嬢さんがたに俺の下半身を見てもらいたいんだけど?」
「もう完全に変態じゃん」
「ためしてみたいだけだって、世の中の反応をー」
「でもお前ゾンビじゃん? 近寄るだけで不審者じゃん? いや、不死者じゃん?」
「うわっ、美味いこと言ったつもりの骨が居る。まぁ、それは置いておいてだ」
「置くなよ。もう少しツッコメよ!」
「つっこむ為のものがありません~、下半身がスケルトンだ~か~ら~」
「今お前、世界中のスケルトン業界を敵に回したからな? あとで覚えとけよ?」
「まぁ、それはさておき、トレンチコートの変態って、そもそも帽子にサングラスにマスクで顔見えないじゃん? なら、ゾンビでも同じじゃない?」
「そこまでして見せたいの? その姿?」
「あぁ、見せたいね。今の俺はゾンビなのかスケルトンなのか、世に広く問いたい! 特に女性に対して問いたい!」
「趣味じゃん。完全に趣味の世界じゃん」
「ゾンビとスケルトンのハーフってモテないかな? 世の中のハーフって美形じゃん?」
「いや、普通に美形じゃないハーフも多いから。ブサイクとブサイクのハーフは普通にブサイクの子だから」
「おまえ失礼なこと言うなぁ。マンティコアさんに謝れ! 人面犬さんに謝れ!」
「種族を名指しするお前が一番に失礼だよ」
今日も忘れられた墓場は平和でしたとさ。