肉+骨<骨の風潮
俺が書きたかった。それ以上になにか理由が必要ですか?
「俺はさぁ、世の中の風潮に対してモノ申したいわけよ!」
「なんだよ急に、社会派にでも目覚めたのかゾンビくん?」
「世の中じゃさぁ、ゾンビの肉が腐りきるとスケルトンになるって言うじゃない?」
「まぁ、一部業界じゃ、そんなふうに言ってるな?」
「それってゾンビに失礼じゃない? 骨プラス肉だとゾンビ、骨だけだとスケルトン、かなり失礼じゃない?」
「今現行で、俺が凄い失礼なこと言われてる気がするけど、言ってみ?」
「俺はぁ~骨プラス肉よ? なのに、骨だけのスケルトンの方が強い扱いって失礼じゃない? 肉の分、俺の方が強いはずでしょ~?」
「実際に弱いじゃん? お前、実際に遅いじゃん? 一緒に100m走ってみるか?」
「俺だけなら良いよ、俺だけなら。問題はマミーさんよ。ミイラだから燃えるだろ?」
「あー燃えるねー」
「でも、残るわけよ、骨だから。骨だから!」
「あー燃え残るねー。乾いた肉を焼いたくらいで骨が灰になるなら火葬場要らないわ」
「そしたらさぁ、焼かれたマミーさんはどうすれば良いの? マミーさんにファイアーを唱えました、マミーは燃え尽きた。スケルトンが現れたってなれば世の中は満足なわけ?」
「あー、それは確かに困るわー。マミーさんも反応に困るわー」
「俺、思うんだよ。マミーさんは、空気を読んで死んだふりしてるんじゃないかって」
「いや、俺達もともと死体だよな?」
「さすがスケルトン。空気読まないわ~、さすが骨、風通し良いわ~」
「この野郎、言わせておけば言いたい放題!」
「うわっ! やめろぉ! 骨しかないお前と違って、肉のある俺は繊細なんだよ!!」
今日も忘れられた墓場は平和でしたとさ。