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シスコン転移者の英雄譚  作者: 初鰹
第一章~異世界「インセティクト」~
5/8

観察者〈オブサーバー〉

いよいよ物語が動き出します。

え……なんで俺の名前を知っているんだ?

身分証も何も持っていなかったはずだ、一体どうして……


いや……記憶を探る魔法?




「クッ、ハハハハッ、やっぱり面白い顔をするね──安心してよ、記憶は見てないからね」



イラッ……でも違うとするとどうやって……


「魔法にはね、その人特有の属性……固有魔法(ユニークマジック)と言うものがまれにあるんだ」


青年は続ける。


「僕は固有魔法を持っていてね、観察者(オブサーバー)って言うんだけど、それでチキュウを覗いていたんだよ」



観察者(オブサーバー)……どんな魔法かは分からないが、意味は分かる。



「それで俺を発見したのか?」



「うん……かれこれ、三年前の事だね」



「三年前……だと?」



コイツ……【神隠し事件】の事を知っているのか?



「ククッ、心は読めないけど、表情で分かるよ。 ああ……確かに知っているよ」



コイツ、三年間俺を観察してたのか? でも一体何の為に……



「ハハッ、本っ当わかりやすい表情するなぁ……僕の目的は観察だよ? 観て楽しむのが目的さ」


イラッ……落ち着け落ち着け。



「俺を見ていて面白かったのか?」



「うん、だって君は、もうどこにも存在しない妹を必至に探していたからね、傑作だったよ」



あぁ? 加奈が死んだとでも言いたいのか?



「はぁ、そんな反抗的な目でみるなよ──わざわざ君を妹がいる世界につれてきてあげたのにさぁ」






何……だと……






今……なんて言った。





「本当非道い話だよ──ドカンッ──うわっ、なななにっ!」


思わず掴みかかってしまった。



「今の話は……本当、なんだろうな?」



「う、うん……三年前、帝国で大規模召還魔法が行使された、きっとその時にここに来たんだよ」



いるんだ……




この世界に、加奈は……いる!



そうと決まればやることは一つだ。



「おい金髪」


「へ……き、金髪? 失礼だなぁ、僕の名前はワード・フォン・プリズナーと言う──「ならワード」なんかいきなり性格変わりすぎじゃないかいキミ?」



「どうしたら加奈に会えるのか……俺に教えろ」



会えるんだ……加奈はこの世界に──「無理だよ」……なに?



「今の君じゃあ、出発三十秒で死ぬよ」



なっ。




いや……冷静に考えてみると確かにな。

俺がゴブリンみたいなのに襲われたら、ひとたまりもないな。



「俺はどうしたら加奈に会えるんだ」



「僕の魔法で調べたけれどね、君の妹さんは帝国の第一軍に保護されているんだよ? よっぽど強くならないと──「分かった、俺が強くなればいいのか。ワード、俺に稽古をつけてくれ」ってえぇぇぇぇぇ!?」



ん?……加奈に会うためだ、俺は何でもするつもりだが。



「なんだ、何か問題があったか?」



「ククッ……いやぁ、君はシスコンの鏡だね、ある意味感心したよ、あっぱれだね。ププッ……まぁ僕が連れて行くわけにもいけないし、まぁいいよ。とりあえずここから町に移動できるぐらいには、強くしてあげるよ」



訂正を入れるとしたら、俺はシスコンではなく、家族思いなだけだ。

まぁ……加奈に会えるなら何でもいいか。



「ああ、感謝する「ただし」……何だ?」



あまりめんどくさい要求は嫌なんだが。

                                         


「実はね、僕が観察できたのは君の部屋のみなのさ、だからチキュウの事を詳しく教えてくれ」



「そんなんでいいのか?」



いや確かに心の中ではああ言ったけどさ、よく考えるとこっちが得をしてばかりなのではと……



「うんうん! 十分だよ、僕は魔法研究家だからね……新魔法開発のアイデアになりそうな物はなんでも知りたいのだよ」



まぁそっちがいいなら、良いのだが。

ではこれで……



「交渉成立だな」



「うん、よろしく頼むぞ連斗君!」



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