表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シスコン転移者の英雄譚  作者: 初鰹
第一章~異世界「インセティクト」~
2/8

暗転する世界

本編スタートです。

「お兄ちゃん、お菓子奢ってよ!」


加奈が俺の袖を引きながらせがんできた。


「奢るって……お前金稼いでないだろう」


「むぅ、よーし、買ってくれないと先輩にお兄ちゃんが私の──」

「──わあぁぁぁぁ! 分かったから、買ってやるから!」


脅迫かよ、俺はそんなふうに育てた覚えはない。

まぁ、バラされたら残り少ない中学校生活が悲惨な事になるので、逆らえないが。


「じゃあこれにするから、お会計よろしくお兄ちゃん!」


はぁ……しかたないか。


ん? あれ、百円ががぼやけて──

「──っ!」



…………


周りを見てみると、目覚まし時計とカレンダー以外の物は見当たらない、殺風景な寝室だった。

夢……だったのだろう。

八時にセットされた目覚まし時計を解除して、天井を見上げる。



三年前、加奈が失踪してから、三日に一度は加奈の夢をみるようになった。

それでもここまで鮮明に夢をみることは無かったのだが……。

疑問に思い、何かの記念日だったかとカレンダーをみると、今日は四月八日、丁度三年前神隠し事件があった日だ。

どうりで加奈の夢をみたわけだ。


あいつ……元気にしてるだろうか? 考えても見当もつかない。

ちなみに俺は高校を資金不足で中退して、就職先を模索中と言う酷い状況なので、元気ではない。


はぁ……今日は昔の思い出に浸って、家でゴロゴロしていたい気分だ。



まぁ、んなこといってもバイトが休みになるわけでは無いのだが。

重い足を動かしてなんとか立ち上がると、コンビニで買ったミニクロワッサンを口に含んむ。


うん、うまい。


バイトは九時スタートなので、後一時間程だ。

俺は暇つぶしに木刀を振る事にした。


あの日から俺は書道を離れ、武道に打ち込んだ。

とはいってもお金がないので、本やテレビを見ての見よう見まねだ。

一通りの動きを試すと、八時半になった。

職場まで十五分なので大分早いが、余裕をもって行動して悪い事はないので、家を出る事にした。

着替えを済ませて持ち物を確認。 うんいいな。


「いってくる」


そう何時ものように呟き、家を出た。

今日もバイトだ、頑張って稼ぐとしようか!










「はぁ……」


やっと終わったか、疲れたぁ。

八時間程働いてやっと一息つくと、電話がかかってきた。

今時ガラケーって、カバンからだすのが地味に恥ずかしいな……。

パカッとガラケーを拝見すると、親友の勇馬からだった。

勇馬とは三年前からの付き合いだ、出会いのキッカケは事件で同じ捜索チームに所属した事だ。


「蓮斗、今日暇か?」


「暇、じゃないが……なんの用だ?」


「今日は皆で集まって今年の捜索会議をするんだが、来れるか?」


そう、俺はいまだに加奈の捜索を諦めていない。

俺や勇馬など、神隠しで大切な人が失踪した人、十四人が集まって、捜索チームを作っている。


「悪い、今日は……」


「いや、いいよ。そりゃあそうだよな、事件の日だし、殆ど人が集まらないし、中止にするか!」


「そうか……悪い」


今日は……どうしても家で過ごしたい。


「いいっていいって! ハンカチいるか?」


「別に泣くわけじゃ、ねぇし……」


ケーキ買って食べて寝るだけだ……泣く要素がない。


「じゃ、またな蓮斗」


「あぁ、またな」


ふぅ……



よし、ショートケーキ買って帰ろう。


俺は近場でショートケーキを買い、家へ帰った。


「ただいま~っと」


家に帰ると、着替えてすぐケーキを切り分け、半分を食べる。


うん、かなりうまい。


その内の一切れを、加奈の部屋に持って行く事にした。

別にお供え物とか言うわけではないが、まぁなんとなくだ。

朝とは別の理由で重い足をあげると、しばらく入っていない加奈の部屋へむかう。

そういや加奈はショートケーキが大好物だしな……。


「う……」


目にゴミが入った……廊下も掃除しないとな。

俺は目にゴミを入れたまま、加奈の部屋に入った。

「なっ──」

その瞬間、強烈な熱気と共に、意識がブラックアウトした。



駄文乙ですね……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ