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ちょっとしたファンタジー

 今回は少し短いです。

 それからしばらくセヴァスの背中を追っていくと、俺たちがいたホールを抜けて大きな校舎のような建物の前までやってきた。

 それはもといた世界の一般的な校舎に比べてふた回りほど大きく見える。

 その場所ででセヴァスは一度足を止めて俺たちのほうに顔を向けた。


「あとでもう一度説明するのだけど、この目の前にある建物は学園の女子高等部、その校舎になるの」

「へえ、これが……。大きいな」

「あら、そう。ここでは魔法の実習等も行うので当たり前だと思いますけど」

「魔法……か」


 レイナが俺に指摘してくる。

 どうやら予想どおりこの建物は校舎だったらしい。

 しかも女子高に魔法ときたものだ。


「まあ詳しい話はあとでね。とりあえず校舎の中にある学園長室に行くことにしましょう」


 そう言ってセヴァスが玄関に向って再び歩き始める。

 俺たちは内心、学園長室という言葉に驚きながらもセヴァスについて行く。

 

 ──パッ、パパパッ。


「「これは──」」


 俺は感嘆の声を上げる。

 玄関がまるで俺たちを迎え入れるかのように明るくなったのだ。

 その光景に俺はこの世界の技術の高さを感じることになる。

 

「ふふ、これはね。天井にある丸いガラスに光の魔法を閉じ込めることで、できるのよ」


 セヴァスが俺たちにこの光のしくみを説明してくれる。

 教師らしく教えるのが好きなのだろう──その顔はどこか楽しそうだ。


(これは魔法なのか……。とことんファンタジーだな)


 この光景としくみに何とも言えぬワクワク感を覚えた俺と由美はセヴァスに質問する。


「ねえセヴァスさん。もしかしてこの世界ではこの明りのようにいろんなところで魔法が応用されてるのかな?」

「あら、よくわかったわね。あなたたちの世界もそうだったのかしら?」

「いや、俺たちの世界に魔法はないが、代わりに電気ってものが復旧してるんだ」

「よくわからないけど……それも便利なのかしら?」

「結構な。世界中とリアルタイムでの通話とかできるし」

「それはすごいわね」


 セヴァスが口に手を当てて地球の技術の高さに感心してる、レイナもそうだ。

 俺は自分が開発したわけでもないのになぜか胸を張る。


(そういえば結局ため口のままだけど向こうも気にしてないからいいよな)


 まあ、俺の考えていることなど彼女たちとってはなんの関心もないのだろうし。

 だってさ、目の前で通話魔法がどうとか言ってんだからな。

 俺の言葉に対抗心でも燃やしたか?


「世界中ということはよほど強い電気とやらでも使ってるのかしら」

「いえ学園長。それを一度空気中で伝わりやすい何かに変換してるのでは?」

「しかしそれでは通話相手を固定できないわ。でもその方法なら──」


 俺は目の前で小難しい話をしている二人から目を離して、身内と話して時間をつぶすことにした。

 まだ学園長室にはつきそうにないし。


「なあ由美、何言ってんだろうなあの二人?」

「え、私はわかるけど」

「なん……だと」


 なんと由美はあの小難しい話がわかるらしい。

 まさか俺がバカなのか?


「あのね士郎君。私もわかるよあれは」

「あたしも」

「り、凛姉。それに風華も……だと」


 っく。どうやら俺はバカなようだ。

 異世界というショックから抜け出していない二人までもが答えたのだから。

 だが、まさか成績があまり良くない風華までもが理解しているなんてな。

 絶句している俺に由美が優しく声をかけてくる。


「教えてあげよっか?」

「……!」


 ──教えてほしい。

 内心そう思っているのだが言葉が出てこない。

 わかっているさ。こいつらから──とくに風華から──教わりたくないというくだらないプライドが邪魔をしていることなんて。


「あれ、どうしたの黙って。教えなくていい?」

「あ、ああ」


 あ、なんでそこでうなずいちゃんだよ俺……。

 これじゃあずっと俺だけわからないままじゃねえか。

 バカなままじゃねえか。


「無理しなくていいんだよ士郎兄。──まあ大方、無駄なプライドが邪魔して正直に聞けないだけなんだろうけどねー」

「うっ」

「あ、図星だった? ごめんね、士郎兄は教わらなくていいんだもんね」


 さらには俺の心を察したらしい風華がからかってくる。

 くそ、図星だっただけに言い訳ができない。

 調子に乗った風華がさらに追い打ちをかけてくる。


「まあ、仕方ないから私が──」

「凛姉教えてくれ」

「え、いいよ士郎君」

「──って士郎兄!」


 しかし俺は奴の術中はまる前に回避する。

 風華が何か言っているが知ったこっちゃない。


「あ、それと凛姉。ここが異世界っていう現実は受け入れられたのか?」

「そ、それは」


 ふとした俺の疑問に凛姉は影を落とす。

 すこし興味本位で聞いてみたのだがどうやらまだらしい。

 場に暗い雰囲気が漂う。


「ま、そんなこと今はいいよな。凛姉教えてくれ」

「そ、そうだね」


 俺はなるべく明るい表情で話題を戻す。

 それに同調した凛姉が口を開く。


「着きましたよ」


 いや、開こうとした時にセヴァスが目的地に着いたことを知らせた。

 そして、この国は文字も日本と同じらしく──目の前にある扉には『学園長室』と書かれていた。

 


 読んでる方は少しずつ理解してきてるかもしれないですが、この話はスローペースで進んでいきます。

 もしかしたら前作より長くなるかも?

 間違いを見つけたり意見があったらほしいです。

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