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序章 捧ぐ理想


「この世界を、終わりにしようじゃないか」

目の前の男、闇を示すかのような独特の目と髪を持つ、自分にとっての最愛の友に言い放つ。

アーチ状の広い天井に囲まれた、神儀を行うための広大な礼拝堂の中に、自らの声がこだまする。

最愛の友の夢のために、理想を目指していた。

理想を実現するために、最愛の友を殺そうとしている。


今、自ら友の死を望むことは、争いが消えないせいだ。

争いを止められなかった、私のせいだ。


崩れた理想を棄て、もう一度、道を探した、争いのない道を探し続けた。

そして、争いを消し去る道を見つけた、もうすぐ、その終焉に到達する。


理想のために、この世界を滅ぼそうとしていた。いや、変えようとしていた。

だが、彼は私の元を去っていった。共に歩むのではなく、相対してしまった。


目の前の敵を、倒すことを考える。

切っ先を友に向け、構えを取る。

敵の後ろには、最も愛しき人であり、心友の一人である、黒衣の聖女が立っていた。

もう決して揺るぐことがないであろうその強い青の瞳は、これから起こる戦いを最後まで見守ろうとしている。

彼女も、我が下を去り、友のそばにいた、もう、届かないところに行ってしまった。

敵も、こちらに切っ先を向けた。

「あぁ、そうだな、終わりにしよう。戦いを、お前の命を…」

悲しき意味を持つ、心友の声がこだました。

今、お前を救い出して見せる。



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