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私と炭酸飲料

作者: 小豆色

 私は、炭酸飲料が好きです。

 コーラが好きです。サイダーが好きです。ペプシが好きです。

 ソーダも、ジンジャエールも、ドクターペッパーも好きです。


 みんなは私に言います。

「炭酸飲料のどこが好きなの?」と。

 その時、私はこう答えます。

「どの辺が好きというよりも、炭酸飲料すべてが好きなんです」と。

 でも、みんなは首を傾げます。

 今まで、賛成してくれた人は一人もいません。


 炭酸飲料が好きな人は多いでしょう。

 実際、知り合いにもたくさんいます。

 嫌いだという人は少数でしょう。

 でも、なんででしょうか?

 私の炭酸飲料を飲む姿を見ると、みんな驚いた表情を見せるのです。

 そして、口々に言うのです。

「もう、炭酸飲料は飲まない」と。

 そのときの表情は、とっても怖いです。

 オバケとか、幽霊にあったときのような顔、とでもいうんでしょうか。

 恐怖と、驚愕が張り付いた顔。

 思い出すだけでも怖くなります。

 理由を聞いても教えてくれません。

 みんな、

「あなたは優しい子なんだから、知らない方が良い」とか、

「あなたに幸あらん事を、…心から祈ります」などどいって、

 哀れみの目を私に向けるんです。

 酷いと思いませんか?


 別に嫌われてはいないはずなんですけど…

 恨まれるような事なんてしてないはずなのにな。

 管理職についているから、そりゃあ何人かクビにしちゃったけど。

 小さな会社だから、給料配分も担当してるけれど…

 でも、ちゃんと後の就職までサポートしたし。

 あの人達もそんなに恨んでそうじゃなかったし。

 給料の方も、みんなに納得してもらっているし…

 人間関係の方も悪くないんだよ?

 けんかもした事ないし。みんなとも仲良しだし。

「嫌われなさそうな性格だよね」とか、

「優しいし、頭の回転も速いし、頼りになるな」とか言ってくれてるし。

 じゃあ、なんなんだろう?

 …うーん。


 ………、!。

 あ、そうか。一回見てみれば良いんだ。

 自分が炭酸飲料を飲む姿を。

 よし、すぐにやってみよう!

 とりあえず、ケータイでムービーを撮ってみようかな。

 この辺にケータイを立てかけて…

 一本のコーラを持ってきて…

 …よし、飲んでみよう。


 ごく、ごく、ごく、ごく、ごく…

 ぷっはぁ〜。やっぱりおいしいなあ。

 さて、見てみましょうか。

 ふんふん、ちゃんと撮れてるみたいだ、ね…?


 …え?

 なに、これ?

 …これが…わたし…?

 うそ、化け物みたい…

 これは、言葉で表せる物なのかな…

 画面の中の私は、コーラに触れたとたんに無表情になって。

 目の光が消えて。視線が固定されて。

 そして、一気に炭酸飲料を飲み干していく。

 人が飲むスピードじゃないの…。

 それこそ、一瞬で飲み干しちゃったの。

 その後も、コーラを手放すまでは変なままで。

 コーラを手放したとたんに、普段の私に戻ったの。


 な、何が起きたの…?

 私って…私って、いったい…?

 怖かった。凄く怖かった。

 本当に、見てはいけない物を見た思いだよ!

 あ、あああ。こ、怖いよ。本当に、怖いんだよ?

 怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。怖いよ…




















 …。ぅ、あ、あれ。

 私、何してたっけ…

 そうか、自分の姿を見てたんだ。

 あの後、怖くてずっと泣いてたんだ。

 多分、泣きつかれて眠っちゃったのかな。

 でも、なんでだろう。

 なんでああなっちゃってたんだろう?


 …わかんないや。

 これ以上は、無理。怖くて考えられない。

 とりあえず、炭酸飲料はやめようかな。

 なにについても、のめり込み過ぎはよくないなと気づきました。

 …正直にいうと、もっと飲みたいと思う私がいます。

 あんな物を見た後でも。


 …自分でも怖いと思いました。

昔、コーラにコカインが入っていたという話を元に作りました。

飲料に麻薬なんて怖いですよね…


いくら、どんなにおいしいといわれても。

私は飲まないです。怖いです。麻薬怖いです。

閲覧ありがとうございます。


あと、このお話は炭酸飲料を陥れる為の物ではありません。

念のため。

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