8 回想 ③
「アックノルト殿下がシルビアさんに好意を持ってしまったのではないでしょうか?」
アックノルト殿下が私に好意を・・・
ゲームキャラクターの中でアックノルト殿下が一番位が高く攻略が簡単であり顔もタイプであったため、私はアックノルト殿下一本に絞ってイベントを進めて来たのだけど成果が現れている事に心の中ではパーティーで大騒ぎとなっていた。
「アックノルト殿下ならありえますわね」
「アックノルト殿下なら、その二回の出会いで十分に落ちるかと思います」
うん?
何故か皆が納得している。
どういう事?
「あっ!シルビアさん御免なさいね。殿下がご迷惑をお掛けして?」
「あのう、何の事でしょうか?」
「アックノルト殿下は優秀で王となる資質が十分にある方なのですが、少々・・・」
「どうしましたか?」
「下半身の方が緩いと申しますか、恋に落ちやすいと言いますか・・・」
(うん!?)
「シルビアさんと二度の出会いで『出来る』と思われてしまったようなのです」
何て事。
そう言う事だったのか。
攻略対象の中で一番位が高いはずなのに攻略が一番簡単なのは単に緩いだけだったとは・・・
「でも、安心して大丈夫ですよ。もう殿下が近寄る事は出来ませんから」
「えっ!どういう事ですか?」
「アックノルト殿下とアクージョ様は婚約されておりますでしょ。そのような方が他の女性に好意を持つことは邪な気持ちと捉えられ弾かれたのではないでしょうか?」
確かに婚約者がいるのに他の女性に浮わつく男など女性の敵と言っても良い。
そんな女性の敵が私に近付くことなど出来る訳がない。
嘘でしょ・・・
勝ち確のためにより安全にと思い絶体防御を神様にお願いしたのに、その絶体防御で王太子に近付けないなんて。
嫌、王太子の緩い性格が解り此方からお断りなのだけど、確か攻略対象は全員に婚約者がいたはず。
ならば、好意を持って貰った段階で絶体防御の餌食となってしまうため、どのキャラも上手くいくことは出来ない。
私がこの絶体防御をお願いしてしまった時点で私は詰んでいたのね。
そして、私に残されたのは・・・
〖魔王討伐〗
そんな・・・
何が楽しくて御褒美もなく魔王討伐何てしなければいけないのよ・・・
勝ち確ヒロインだったはずなのに・・・
私に残されたのは魔王討伐だけ。
取り敢えず一部完です。
一部は序章で物語は二部以降からとなります。




