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5 最後の晩餐 ②

「ごろざないでぐだざい~」


五人の女性が床に座り込み、一人が命の懇願で泣き叫ぶ。

残りの四人の女性はゼーゼーと肩で息をしながら泣き叫ぶ令嬢を得たいのしれない生き物を見るように見ていた。

もし、傍から見たら何が起こっているのか解らないと思う。


アクージョ様の侍女に椅子へと案内されて暖かい紅茶を淹れて頂いた。

紅茶を飲むことで落ち着く事が出来た私は漸く泣き止む事が出来た。

私のせいでアクージョ令嬢と取巻き二人の髪が少し乱れてしまっていた。

申し訳ない。


「お、落ち着いたかしら、全く何で私が貴女を殺さなければ行けないのよ」


「そ、それは~」


ヤバい。

説明しようとしたらまた涙が出そうになってきた。


「お願いだから泣かないで頂戴!思い出さなくていいわ!」


「わ、解りました。ど、努力致します」


と言っても人間泣くなと言っても涙は自然と出てしまうもの。

努力でどうにか出きるわけがない。

こんな状況なのに冷静にこんな事を考えている自分に驚く。


「メリー、ランチにしましょ。お一人増えましたが問題ありませんわよね?」


「はい、今すぐ準備致します」


アクージョ様の侍女はテキパキとランチの準備を整えると、空間から料理と取り出した。

取り出した料理には湯気が出ている。

まるで、先程まで調理されていたかのようであった。

これが噂に聞く闇魔法の空間魔法。


「こ、これはハンバーグ!?」


「あら、貴女この料理知っているの?こちらの料理はエロルドさんの所の名物料理なのですよ」


久しぶりに食べるハンバーグ。

なんて美味しいのかしら。

貴族だと言っても領地を持たない貧乏男爵家では肉なんて食べる機会すらなかった。

それが十何年ぶりに食べる事が出来た。


(はぁ~幸せ~)


「昔は私の領地の名物料理だったのですが、今では他の領地も真似し出したせいで態々ルード領まで来て食べられる方が減ってしまいましたわ」


「それは大変ですわね。何か良い方法はないものかしら?」


ルード領は王都から離れているため領地活性の為に観光となるものが必要であった。


「ハンバーグの中にチーズを入れて見てはどうですか?もしくはチーズを掛けるサービスとしてストップするまで掛け続けるとか?」


「ち、ちょっと貴女何て言いましたの?」


「へっ!?お肉の中にチーズを入れておくと切った時にチーズがトロッと出てきて最高に美味しいと・・・」


「メリー、メモしたわね?」


「は、はい、大丈夫です」


「エロルドさん、後でメリーからメモを預かりお父上にお渡しなさい」


「はい、ありがとうございますアクージョ様」


「お礼は私ではなくシルビアさんに言うべきですわ」


「シルビアさん感謝致しますわ」


感謝されてしまった。

ただ、前世の記憶を喋っただけなので何か申し訳ない。

久しぶりのハンバーグを堪能し終わると丁度良いタイミングでメリーさんが紅茶を淹れてくれた。

さすが公爵家の侍女。

紅茶を飲むと、はぁ~と幸せなため息を一つついた。


「満足して頂いて良かったわ。それではアックノルト殿下について話して貰えるかしら?」


あっ!そうだった。

あまりにも美味しそうな料理であったため、ここがまだ処刑台の上だと言う事を忘れていた。

もしかしたらアレが最後の晩餐だったかも知れないと思うと、もっと堪能して食べるべきだったと後悔した。

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