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出会い

作者: 月夜野ルナ

出会い


キュルッ・・キュキュキュュ・・・ブルッ・ブオッ・・ヴォォーン・・

機械系であれば誰もが大好きだろうエンジンの始動音。

それが故障して修理して正常に復帰したとなれば、それは修理人の醍醐味。


さて・・今日の作業はこれぐらいにして帰るかと会社を出るとすでに日は暮れ。


いつものスーパーで夕食の食材を買い込み駐車場に戻ると・・ボンネットを半開きにして

困った様子の女性が一人。そんなの放って置くわけにいかないでしょ。


「あの・・どうしました? 」


「あ・・すみません。エンジンがかからなくて・・」


「あー、ちょっと見ましょうか? 」


「え? いいんですか? じゃあ・・」


運転席に座りキーを捻るが(グゥッ・・) で終わり。ボンネットを開けてバッテリの

製造表記を見るとちょっと古いか・・


「ちょっと待っててください、俺の車を脇に持ってきますから」


「ホントにすみません・・・」


俺は自分の車を横につけてボンネットを開け、トランクからブースターケーブルを

取り出してジャンプスタートさせる。


(キュキュキュ・・ブーン・・)


「わ、かかった! 」


「まだ待ってくださいね。」


ブースターケーブルを外して自力作動してるのを確認してグローブボックスから

小さなサーキットテスターを取り出してバッテリーの電圧を図る。


「・・14.2vあるから充電はしてるな・・お姉さん、多分バッテリーだけの問題だと思うけど

交換しないと次止めたらまたかからなくなるよ。付き合いのある車屋さんとか連絡できる?」


「えっと・・・前に出してたとこが廃業してどうしようかと思ってたとこなんです・・」


「判った。じゃ任せてくれる? 交換でだいたい◯◯円位だと思うけど」


「え? これからやってもらえるんですか?」


「ちょっと待てる?」俺はスマホを取り出して連絡する。まだ会社には後輩の伸二が居るはず・・


「あ、俺だけど・・まだ社に居た? うん、悪いんだけど△△スーパーに居たんだけど、バッテリー

上がりの車がいてさ、うん女の子が困ってたから。んで、見たらバッテリーがダメみたいだから

持ってきてくれない? サイズはB24L。うん、それとバックupバッテリーとスキャンツールと。

うん、低電圧で始動してるからエラー入ってる筈だから・・うん、了解、待ってる」


「後輩が来てくれるのでもう少しだけ待っててね」


「ありがとうございます。」

=================================================


「先輩、お待ちですー」と伸二がやってくる。


「おぅ、帰りなのに悪いね」


「いぇいぇ、先輩の頼みですからーww」


「じゃ早速・・」


「じゃ俺、工具下ろします。先輩バックup頼みます」


「了解」そう言ってアクセルペダル上のOBDコネクタにバックup電源を繋ぐ

伸二はもうバッテリーを外しにかかっている。その間に新品バッテリーを取り出す。

交換し終わってバックup電源を外し始動。


エンジンは簡単にかかった。充電量点検、14,2v +3Aからどんどん下がる。ライト・エアコン・リアデフォ

作動してもok。


そのままスキャンツールを接続。エラーコードフルスキャン・・・あ、やっぱり低電圧エラーが

ちらほら。CAN通信エラーもそのせいだろう・・一応コード番号だけ控えてフル消去。

再度フルスキャン・・・エラー無し。ok。


「はい、お待たせ。一応全部点検してokになりましたからこのまま使っていいですよ。で、請求は・・

後日請求書送りますから・・あれっ名刺が無い・・・」


「先輩、俺のでよければ・・・」


「おう、伸二、何から何まで悪いなぁ」


「いぇいぇ・・はい、これ名刺です。それで請求書送ったりするのでLINE交換してくれませんか?」


「もちろんです❤」


=================================================


さて、それから彼女からはすぐ入金があり、伸二の残業がめっきり少なくなったのは・・・


そこはやっぱり助けてあげた俺でしょうに(笑)。


おしまい。

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