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滅殺!ハンマーブロウ

「予選通過は楽勝だぜ〜!」


 チンピラがボクスルをドタバタ動かしながら突進してくる。

 こちらのタナンより性能は上、パワーも上。ならば絡め手しか無いよな。


 俺は突進してくるボクスルがぶつかる瞬間にタナンをしゃがませて相手の腹を掴む。そして相手の突進の勢いを使って後ろに放り投げる!


 有名なロボアニメ、機動戦士ダンガムの劇場版逆光のジャアで知った有名な技だ。馬から降りてきたジャアを初代ダンガムの主人公アロムが「お前こんなとこで何やってんねん!」ってブチギレて放り投げるあのシーン!みんな大好きだよね。


 俺も好き。ジュードー?って武術があるらしいが、ほとんど地底世界で暮らしてるからよく分からないんだよな。いつか地上に行ったらやってみるリストに入れておこう。


 タナンにボクスルの全荷重が掛かり軋みをあげる。頼む! 保ってくれよ……うおりゃあっ!


 タナンの重心位置をボクスルが乗り越えた瞬間に抱えてる相手の腰部を全力で持ち上げる。


「テコの原理だ!バカでも分かるぞ!」


 仰向けに寝転がるタナンを立たせると、背中から地面に叩きつけられて呻くチンピラ。しかし決定打にはならなかったのか立ち上がろうとしてくる。ならば!


「おやっさん!ごめん!壊れたらファイトマネーで払うから許してな!」


 俺はあらかじめそう言うと右腕を大きく振り回し始める。


 ブン………ブン………と初めはゆっくりだったのが回す度に少しずつ加速し、次第に風切り音を唸らせ、さながら扇風機の様な音を立て始める。


「っ………ててて油断しちまったぜ……だが所詮タナン、俺のボクスルとマトモに殴り合ってダメージを出せる馬力が無いって事は分かってんだよ!な…………あ?なんだその右腕の回転の速さは!てめぇさては違法パーツ付けてやがるな?!」


「バカ言うな!お前らチンピラじゃあるまいし、こちとらちゃんとした零細ジャンク屋よぉ!コレは遠心力と肩のサスペンションを上手く連動させて出来る技術の産物だ! 名付けてジャンクンドーだ!」


 俺は高速回転する右腕を勢い良くボクスルに叩きつける!


「コレが遠心力!!滅殺ハンマーブロウ!!!」


 ばぎゃあん!!


 不快な重い金属音を響かせながらボクスルの左腕が肩から吹き飛ぶ。肘から先が無くなってもまだ遠心力が残っているから、勢いのまま頭部を破壊しようとするが、流石に残った右腕で突き飛ばされる。


「ハァ……ハァ……焦った。マジかよ。笑えねぇ。年代モノのタナンで俺の左腕を持っていきやがった……」


「どうだい?これでスクラップとは言えねぇんじゃねぇか?さっきの言葉を取り消すつもりになったか?」


「断じて取り消すつもりは無い!」


 チンピラのボクスルが残った右腕を真っすぐこちらに向ける。なんだ?パンチにしてもここはアウトレンジだ。まさか!


 嫌な予感がした瞬間、ボクスルの手首がゴトリと落ちて前腕からキャノン砲の砲身が伸びてくる。


「いきなりコレを使わされるとはなぁ!ある程度勝ち進んでから使う奥の手のつもりだったがここで撃つ!」


 俺は咄嗟に叩き落としたボクスルの左腕をタナンの残った左腕で拾い、その左腕を内蔵キャノンの射線上に合わせて思い切り掬い上げる!


「ガッハハハハ!多少ギブラニアの操縦が上手かろうと重火器にはかなうまい!1回戦は俺の勝ちだぁ!」


 もうもうと立ち込める爆炎の向こう側にギブラニアのシルエットが立ち上がる。次第にその姿があらわになると、左の手首までか無くなっているがまだ本体が無事なタナンが堂々と立っていた。


「両腕が無くなってちゃあ世話無いぜ!俺のパンチで引導を渡してくれるわ!!」


 キャノンが収納され手首が元の位置に戻ると拳を振り上げたそのままズンズンとこちらに駆け寄って来る。


 まだだ……もう少し……そう、俺の足が当たる間合いまで………ここだぁっ!



「タイミング!キック!!」


 


 相手の突進の勢いがそのまま蹴りの威力になるし、蹴りの瞬間、脛にある姿勢安定用のアウトリガーを両足共に撃発させて地面にもボクスルにも打ち込む!


 蹴りの威力×突進の勢い×アウトリガー=破壊力!


 完璧な方程式だ……問題は股関節シャフトに多大な負担を強いるから使いたくない事だが。


 ぐらり………とチンピラの乗るボクスルが倒れて機能停止が確認される。

 俺は勝者の歓声を浴びながらコロッサスアリーナのステージから退場した。





「あの動き、ただ者ではありませんね。…………ええ、同じギブラニアであれば対戦相手はそもそも敵にならなかった様子でした。しかしあの戦い方は自身が壊れるのも厭わない戦い方で……でも使えそうです。接触しましょう」


 仮設テントの裏でスマホで連絡を取っていた女の子はオーカンと書かれた張り紙のあるテントに入って行った。

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