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展開がジェットコースターで草

コロッサスの二回戦で戦ったダキレルはレッドキャップの頭部パーツから生えた角をしげしげと眺めるとまるで大切なモノを触る様にやさしく撫でる。


「まだ残っていたのだな…………」


 ダキレルの印象からはちょっと想像出来ない優しげな声を漏らす。もう俺達の事は目に入らない様に観察する体制に入ってしまった。


「で、お嬢様?リヴ・パーツとはどんなモノで?いや生身と明らかに内側から角が生えて来ている事から察しは付くけど、説明を貰えるかい?」


 「その説明はわたくしが致しましょう。リヴ・パーツとはその名の通り“生きている”パーツですわ。ギブラニアという乗り物が地上の重機と地底の巨大な獣を倒す為の鎧を組み合わせて出来ているとは学校で習いましたわね?だったらその重機、いえ兵器ですわね。兵器が現れる前に地底の人々はどのようにして巨獣を狩っていたと思っていますの?」


 サーシャお嬢様の背後にいたハイカさんが手を挙げて説明を始める。その内容はギブラニアが完成する前から巨大ロボ的な乗り物があった様だ。


 たしかに……それは……確かにそうだな。開発区域外にはまだまだクソデカモンスターがうようよしてるんだよなこの地底世界は。

 

 2トントラックみたいなサイズのネズミとか、電車みたいなサイズのヘビやトカゲとか。ビーム吐いてくる猫バス(夜行バスサイズのネコ)とか……


 昔衝撃波を撃ってくる巨大バッタに襲われた時は死ぬかと思ったし……((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


 そりゃあ地底に昔から住んでた民にも、それ相応の対抗手段があって然るべきだよな。


「納得いただけて?そしてリヴ・パーツとはもともと、「リヴ・ギギアント」と言われるガーディアンを構成するパーツなの。」


「ギブラニアはそのリヴ・ギギアントを模して作られた模造品ね。魔獣の腱や筋を人工物に置き換え、臓腑をエンジンやバッテリーに置き換えた劣化コピー。リヴ・ギギアントの本来の性能はギブラニアをはるかに凌ぐわ。」


「それに、いちいちメンテナンスをしなくても食事を取らせ休息させる事で機能を回復する上に鍛えれば鍛える程に性能は上がってゆく。まさに“もう一つの身体”とも言える存在なのよ。」


 ほーん?生体兵器かな?モンスターの肉体をツギハギして魔法で動かしてる?理屈はよくわからんが猛烈に非人道的な感じするなぁ……


「でも、おかしくないかハイカさんよ。そんなに良いもんなら劣化コピーなんぞ作らずにそれを沢山作れば良いじゃねぇか。地底が開通して50年、そんな話は聞いたこと無いぞ?」


 どうせ厄ネタみたいな設定があるんじゃないの?正体見たり!って感じだな。


「えぇ、リヴ・ギギアントにはいろいろ問題がありましたもの。人間にも輸血出来る血液型に違いがあるでしょう?それと同じ。早い話がリヴ・ギギアントの素材になった巨獣と魔力の波長が合わないと指先一本動かせませんもの。それに精神が弱いとパイロットが逆に食われます。長く乗り続けると自身と機体の境界線が曖昧になったりします。最終的には人型の巨獣になりますわ。」


 こわっ!えっ………こえーよ!厄ネタかなって思ってたのフリやん!ただの予想なだけで生体パーツ使ってる原始的な巨大ロボだと思ってたのに、なに食われるって?!なに人型の巨獣って?!

 

 俺そんなんに乗ってたのかよ!!


「サーシャぁ!!てめぇなんてモンに「乗れましたでしょう?」


 あ?今コイツなんて?“乗れましたでしょう?”だと?確かギギアントは魔力の波長が合わないとそもそも動かせないんだよな?なのに俺はゴブリンと同じ様に動かせた?あのレッドキャップの頭と俺の波長が合うと分かっていた?


「…………まさか……親父……か?あのアホ息子に厄ネタ押し付けて来たのか?」


 俺の親父も地底に作業員として来てギブラニアを乗り回してた。ある日居なくなったが。まさかこのお嬢様ン家に拾われてたとかか?


「いやお嬢様もなんか事情があるのはわかりますけどねぇ!いきなりそんなヤバいモノに説明も無く乗せないで下さいよ!」


「頭部だけですし、首から下はギブラニアではよくある量産機ゴブリンのモノです。それにこの子は侵食なんてしませんわ」


 …………この子、ねぇまるで自我があるような言い草じゃないか。そういやそもそもなんで頭部だけなんだ?強いギブラニアのボディガードが欲しいならまるまるそのギギアントで良いだろうに。


「頭だけでも、オーカンさんに会えて良かったですね。行って帰ってくる。そう自分の子供に名付けるくらいですから…………」


 自分が今何を言ったのか、口に出してすぐに気づいた様でサーシャが“はっ!”とする。


「あっ、いやあのこれは言葉のあやであのええと………」


「まさか、親父は………死んだのか。そのギギアントってのに乗り込んでアンタらを守る為に戦って……」


 サーシャはうつむきがちになる。がすぐに顔を上げて俺の顔をしっかりと見据えると固い張り詰めた声でハッキリと答えた。


「貴方の父、征路邁進ユキジ・マイシンは、わたくしミロスラーヴァ・アレクサンドリアとその従者を守護る為に立派に戦いました。そのギブラニアの頭部は形見として差し上げるよう、生前の父上どのの遺言です。そして恥ずかしげも無く貴方を頼る無様な私をどうぞお許し下さい………」


 展開がジェットコースターで草

 いやうすうすは死んでるだろ地底の治安ゴミだし。と思ってたからなぁ……ショックはあんまり無いんだが、お嬢様のマジな雰囲気に耐えられなくて脳内では茶化しちゃうビクンビクン

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