表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/30

神の作り給うた究極飲料

あの後、2人の女の子を拾ったガキとサーシャさんの前に連れて行くと、泣きながら抱き合ってた。

 まあ子供だけでボロボロになりながら来たってんなら何か事情あるんだろうけど、自分はそこに踏み込むのもめんど……ゲフン。無粋だろうから送り届けた後はしれっとその場を離れたんだよね。


「オーカン氏、だからってここを避難所に使うのは困るでござるよ。アンタの友達だってだけで絶対あのお嬢様が起こす騒動に今後コッチも巻き込まれかねないですぞ。そんなのは面倒でござる。アニメが見れないしプラモ作る時間が無くなりそうですからな!」


 このバカはリーターン・カムバック。数少ない俺の友人であり、地底2世と言われる両親が地底に入植して地底で生まれた地上人だ。

 そしてコイツは俺がギブゾンプライム等の動画配信サービスでアニメを見せてからコッテコテの2000年代オタクになりやがった。


 ロボアニメに始まり、美少女アニメ、特撮、魔法少女、能力バトル、SF、ジャンルの食わず嫌いもなくあらゆる方向性の作品を平らげていった結果、ステレオタイプのアメリカのオタクが出来上がったのさ。


「美少女が出て来るのは画面の向こう側で十分なんだな。リアルで美人と遊んでたらマッハでチンピラが寄って来るしロクな事無いじゃんよ」


「だろぉ〜リータ!早速こないだ絡まれてバイクがオシャカになっちまったんだよ。あとあのお嬢様はお金儲けが目的とか言ってるけど絶対他に目的があるんだよなぁアレは」


「あぁ、今日の騒動でエルフの子供……おそらくいいトコのお坊ちゃんお嬢さん……が顔見知りだったみたいですしな。それより町のカメラで見てたが相変わらずのバカみたいなパワー、小型軽量機とはいえギブラニアを生身でシバくなんてなかなか見れませんぞ」


「よせやい、俺が外に魔法を放てないから苦肉の策で身体強化しまくってるのは知ってるだろうが。それよりいつも思うんだが、町のカメラで見てるってもしかして覗き放題じゃない?」


 リータは「3次元には興味はありませんぞ」と言ってチョコバーと水代わりのDr.花椒を食べ始めてしまった。


 俺も一本貰うかな

 ムシャリ

 う〜む、うまい



◇ ◇ ◇


〜翌日〜



「………それで、お嬢様は今なんと?」


 翌日、ドルブのおやっさんの所に来ると昨日のガキと姉妹を連れてサーシャが待っていた。


「だから、この三人になにか仕事と住む場所を探してあげられませんか?」


「お嬢様、アンタのが金も人脈もたんまりあるでしょうが。こんなパッとしない学生捕まえて世話しろだ?そんな余裕があると思ってんのかよ」


「金も人脈もありすぎるからこそ、それらから隠したい時には使う訳にはまいりませんので。」


「しょうがないな……ちょっと待ってろ……あ、もしもし?リータ?ああ、今ドルブのおやっさんのガレージ前…………そうそうその3人、その3人がなんか住むトコと仕事が欲しいんだと。で、目立つ訳には行かないってさ。まあエルフだしな……ああ……え?来るのか?……うんいやじゃあ待ってるからな」



〜しばらくして〜


ずどどどどど!という地響きと共に汗だくのまるまるとした男がガレージ前に転がり込む様に現れた。


一番下のミリムが怯え、グレイが警戒心を剥き出しにしている、姉のハイカは冷静に振る舞おうとぎこちなくなっていた。


「ゼェハァ………ゼェハァ…………ゼェハァ………」


 まるまるとした男はおもむろにDr.花椒を取り出しゴッキュゴッキュと喉を鳴らしてボトルを開ける。


「………あー………リータ?お客様がドン引きしてるからちょっとお行儀良くしてくれよ。」


「ブハァ!!生き返りましたぞ!!!それでこの御三方が仕事と寝床を探しているんですな!!ハイカどの!自分はリーターン・カムバックと言います!そこのサーシャ嬢が現れる前はこのオーカンと組んでいろいろやってましてな!!ツテも多少はあり、アングラではありますがいろいろ探してみますぞ!その間に良かったらコレを飲んで欲しいでござる。神の創り給うた究極の飲料、Dr.花椒ですぞ!!!」


 リータは一気に言いたいことをまくし立てると3人にDr.花椒を配り始めた。うぅむ何かコイツ空回ってね?


「おい、リータ。てめぇ何か他の事考えて無いか?」


 リータの肩をがしりと掴む。するとバイブレーション機能が作動した様にブルブルと震え始めるリータ。


「ソソソそそんなここことはなななないからからからから」


「アレか?ひょっとして惚れたか?ハイカさんか?」


 ハイカさんがヒッ!と声を上げてサーシャの後ろに隠れる。


 「あああのあの!コイツのチームを作ってそのスタッフにすれば話が早いと思いますです!!だからそんなに怯えた目をしないでご褒美ですありがとうございますぅぅぅぅぅぅ!!!」



「オーカン………なんですかこの気持ち悪いのは」

 

 サーシャがまるで道端に落ちている犬の糞を見るような目でリータを見ている。


 やめなよ、と言いたいが今日のコイツはキモいな…


「あのう……チームというのは……?リーシャさんの猛獣とでしょうか……?」


 控えめに手を上げて発言したと思ったら、リーシャさんの猛獣………いったい何のことだろう………


「はい!ハイカ様の為にご説明致しますと、コイツ……オーカンは今リーシャさんパトロンのもとコロッサスに出場しており、2回勝ち進んで居ます!!今後もコロッサスで戦う時にスタッフとして入れば身内だけで固められる上にお金の流れも自然に出来ますぞ!!スーパーハカーなわたくしリーターン・カムバックにあのレッドキャップの整備をさせて貰えればもっと完璧に仕上げられますしな!そして今後団体戦に挑戦した時には頭数にもなります。良いことずくめですぞ!」


 ブワッと早口でまくし立てるリータ。コイツこんな奴だっけ…………まあ俺は面白いからいっか


 いやまあ女性陣は嫌悪感を滲ませてるし、グレイくんは警戒心マックスだけども………


 何か小声で(えり好みは出来る立場じゃない)とか(あの猛獣の友人だからやっぱりイカれてるんだ)とかなんかボソボソ聞こえる………猛獣って何のことなんだろうなマジで。


 あ、グレイくん噛み付いて来なくて静かだなって思ってたらよく見たらプルプル震えてない?怖かったんだね。安心させてあげよう。


「まあ確かにスタッフは居たほうが良いな。よし、じゃあDr.花椒で乾杯しよう。仲間の証だぞグレイ〜ほらキャップをひねって、グッと飲み干せ〜!」


 カキッと小気味よい音と共にキャップを外してやる。そしてグビグビと煽る。


 っかぁ!うめぇ!やっぱりDr.花椒は神の創り給うた究極飲料だな……


 グレイくんはうっすら目に涙を浮かべながらちびりちびりと飲んだ後にオエッってなってた。


 ふっ、神の飲料はまだお子様には早かったか………



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ