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さぁ、食うんだ

あれからサーシャお嬢様の目的を聞かされた。

 なんでも良いとこのお嬢様だけど、自分でお金を稼いでみせろと言われたからコロッサスに目を付けたらしい。

 

 俺に目を付けたのは年齢が近いから。地上のアニメや漫画みたいなボーイミーツガール展開とかじゃあ無いみたいだ。


 なんでも本当は女の子の方が絵になるから良かったんだけど、居ないから仕方無く俺にしたんだと。強くなってく過程そのものをコンテンツにしていずれはプロデューサーから果てはプロモーターになりたいらしい。


 自分が戦わせたい人間をギブラニアに乗せて戦わせられる様になれば面白そうじゃない?とはお嬢様の談。


 今までハッキリと理由を言ってくれなかったのは逃げられたら困るからで、バラしたのは修理費用という借金が出来たから。らしい(ヽ´ω`)


 クッソ……やっぱ金持ちはクソだな。


 俺はプレゼントされたバイクにまたがり帰路につく。

 コレもなぁ……プライドというか意地の部分では乗りたくないが便利さには敵わないんだよな……居心地の悪さを感じながらも結局乗ってるから、金持ちはクソとか言えないか。ダブスタ野郎にはなりたくないからね。


「おっ、オーカンー!治ったのか?ちょっと見せてくれよそのバイク!!」


 おやっさんのガレージ近くに来ると近所のガキが寄ってくる。


「おー!マルクじゃないか。見るのは良いがひっくり返すなよー?」


「なんだコレめちゃくちゃピカピカじゃねぇか!直してた奴と違うのか?!」


「学校に乗って行ったらそこでお貴族サマが乗りたいって言ってな。乗せてやったら盛大にぶっ壊しやがったんだ。するとお詫びにって新品を持って来やがった。怒りたいやら喜びたいやらで複雑だよ……」


 路地の陰でやりとりを聴いていたのか、新品というセリフが聞こえた途端にあまり見ないガキが魔導バイクに飛び乗ると急発進した!


「あーっ!!てめぇボケ!そのバイクはオーカンのだぞ!!オーカン!!俺アイツシバいて来るわ!!」


 マルクはそう言うが早いか白い笛を鳴らす。ちなみにその笛は地底に行く感じのアニメの中で登場人物が自作してた笛を俺が見様見真似で作った奴なんだ。


 今じゃストリートチルドレンの犬笛になってるのが笑えないんだけど。



「マルク!サムが左に曲がったって!!」


「ババアの薬屋の前を通ったってさマルク!」


「今C区の8番倉庫の前でひっくり返ってるってさ!」


「仲間が何人かで押さえてるらしい。オーカン、来なよ」



 ドルブのおやっさんのガレージでバイト代わりに簡単な魔導具を直してたりしてたら、横に居るマルクの所に他のストリートチルドレンからどんどんと情報が集まって来てる。


 俺はコイツらが怖いよ……もう子供ギャングやん……なんか笛の音程や長さで原始的な遠距離通信してるしさぁ……包囲網の構築が誰かの指示とかじゃなくて自然に構築出来る様になってて……コイツラは何か俺を慕ってるっぽいから嫌われない様にしなきゃ((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル






 俺が現場に到着すると、俺がサーシャから貰った魔導バイクをパチろうとしたガキはストリートのガキ流のおもてなしをされた状態で転がっていた。


「あちゃあ……逃げられない様にするだけにしとけっつったのに。やり過ぎだぞお前ら」


 ボコボコに腫れ上がってもなお、瞳はギラギラとしていて隙さえ有れば噛み付いてやるという意思を隠そうともしない窃盗犯。あー、たぶん俺の事を金持ちだと思ってるな?もしくは貴族みたいな地位の奴だと。


「それでお前……名前は?この辺の奴じゃねぇよな。昔から居たならマルクを知らないハズが無ェし。……流れて来たのか?親か兄弟は?」


 ビクリと震える窃盗犯。周りを囲むガキどもが質問に答えろと騒ぎ始める。


「まあ待てお前ら。そうだな、自己紹介といこう。俺はユキジオーカン、こいつらに懐かれてるだけの修理屋見習いだ。お前は?」


 くすんだ金髪の隙間から青い瞳がこちらを覗く。………エルフか!?


「ハラ減ってねぇか?オイ!誰か薬屋の婆さん所から草粥作って貰って来い!胃にやさしい奴だぞ!すきっ腹に肉は良くないからな!!」 「ヘイッ!!」



 よしよし、ご飯が貰えるってなれば心を開こうって気になるだろ。



「おっ……オレは……グレイ……だ。俺だけで盗もうと……したんだ!」


 おっ、ご飯が貰えると分かって喋る気になったか。


「だから……なんでもするから……許してくれ……ッ見逃して……ください……」


 見逃すもなにも、あのバイクは乗るのに何か引け目あったしそんなに怒る気しないんだよな。


「オーカン!婆さんの特性草粥だ!エルフのガキだって言うからニンニクや唐辛子は抜いてあるってよ!!」


「妙に早いな、残り物とかじゃねぇだろうな」


「店の前で爆走してるのを見かけた時から作り始めたんだとさ。」

 

「マジかよ。お人好しだな。よくあんな所で生きて行けるぜ」


「オーカンがそれを言うのかよ!」「ババアもアンタだけには言われたく無いだろうぜ!」「違いねぇや!!」


 倉庫はガハハハと笑い声に包まれる。


 うん、雰囲気も柔らかくなったし、そろそろ警戒を解いて食ってくれるだろ。


「さぁ、グレイ。食うんだ」


「ひっ………ヒック………姉様、ミリル、ゴメンッッ!!」


 ガブガブと噛まずに流し込む様にして草粥を平らげると泣きだすグレイ。


 良かったなぁ。そんなに腹減ってたのか。というか姉様とかミリルって誰?

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