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第90話 『焼き芋準備』


「じゃあ、ローザ君と一二三君が屋台を綺麗にしたいって言ってるから、2人に任せようかな。結構年季が入ってるし、放置されてたから大変かもしれないけど、よろしくね〜。

カイン君は芋洗いと芋干し。サツマイモだけど、男爵芋みたいな感じで。ウププッ。」

店長が最後によく分からない笑いを入れた瞬間――

「面白くない!」

カインが即座にツッコミを入れた。

「藤咲さんも、せっかくだし何かしていく? ポップ的な感じで絵を描いてくれると嬉しいな〜」

「はい! 面白そうですし、屋台デコレーションします!」

藤咲さんはノリノリだ。

「じゃ〜始めよっか!」

店長が手を叩くと、現場は一気に作業モードへ。


「師匠! 分解できそうな部分は分解してから綺麗にしましょう!」

一二三先輩が工具を持ちながら声を上げる。

「了解だ!」

ローザは若返った姿で、楽しそうに屋台をガチャガチャ分解し始める。


一方カインは――

「……なんで俺だけ芋洗いなんだ」

ブツブツ言いながら洗い場でサツマイモをゴシゴシ。


藤咲さんは店長と一緒に「ここは花柄がいいかも!」「いや、ここは和風で!」と、屋台デコレーションの案で大盛り上がり。


干されたサツマイモはというと、駐車場の一角に並べられていた。

だがここで藤咲さんがポツリ。

「あれ? そういえばサツマイモって、土がついたまま直射日光を避けて干すと甘みが増すって聞いたことあるんですけど……。洗っちゃいました?」

「ま……まじか! 言われるがまま全部洗ったぞ!? しかもガンガン日光当たる駐車場に干してるし!」

カインの声が裏返る。


「あ〜今ネットで見たらさ、風通しの良い冷暗所が良いって書いてあるな。でも別のサイトには天日干しってあるし……どっちが正解だ?」

店長がスマホを見ながら頭を抱える。

「直射日光当てると発芽するってサイトもあるぞ。これヤバイんじゃねえか?」

カインが青ざめる。


「とりあえず……表面は乾いてるし、換気扇の近くに棚置いて、新聞紙で一個ずつ包んでおこうか。どうせすぐ食べるし大丈夫だろ!」

店長が強引にまとめる。

「余計な作業増えた……」

カインが天を仰いだ。


そして――結局、サツマイモの正しい干し方が分からないまま、芋洗いと屋台掃除の作業は続いていくのだった。



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