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第23話 『地獄セールの始まり』

夏休み初日。

炎天下の真夏の駐車場。

白い仮設テントの下、いくつかのバーベキューコンロが並べられ、その前でカインが汗だくになっていた。

テントがあるとはいえ、照り返しの熱気は容赦がない。背後で大型の業務用扇風機が唸るような音を立てて回っているが、熱風が舞うだけで、涼しさはほとんど感じられなかった。

「よしよし、焼けてきたぞ。カインくん、焦がすなよ、焦がすなよ~。見栄え大事!」

「……はい……」

カインはうつろな目で、フランクフルトをトングで転がす。顔は真っ赤で、頭からは滝のような汗。Tシャツはすでに背中も胸もぐっしょり濡れていた。

その横で、店長はタオルを首にかけ、なぜか楽しそうに焼け具合を見ている。

「これだよこれ。フランクフルトはな、焼きすぎず、でも生でもなく、じゅわっとパリっとな!」

カインは返事をする気力もなく、ただ手元のフランクフルトを見つめる。

一方、店内では。

冷房の効いた快適な空間で、ひなたと一二三(三二一)先輩がレジ業務をこなしていた。

「……あんな炎天下で大丈夫なのかな、カインくん……」

ひなたが窓越しに外を見ながら心配そうに呟く。

「まぁ、倒れたら交代でしょ」

一二三先輩は淡々とそう答える。ただ、その目線はどこか気まずそうにカインを追っていた。

仮設テントの下、じりじりと焼かれながらもフランクフルトをひたすら転がすカイン。

その姿は、もはやバイトというより修行僧のようだった。

午後の灼熱は、まだ始まったばかりだ。



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