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第109 『人形をどうするか』


「ローザさん、かっこよかったですね!」

 藤咲さんが瞳を輝かせて言う。

「ウム、認めたくないが、あれは確かにカッコよかった。何時もあれくらいシャキッとしてればいいんだがな」

 腕を組んで唸るカイン。

「師匠を改めて尊敬させてもらいました」

 一二三先輩も静かに頷いた。

「まあでも、コンビニではポンコツでしかないがな」

 カインのぼやきに、藤咲さんが苦笑する。

「まだ慣れてないだけですよ。師匠なら、きっとコンビニ業務も完璧にこなせるようになるはずだ」

「ウム……それはそれで恐ろしいな。あれがレジ前に立ったら客が逃げるかもしれん」


 そんな冗談混じりの会話の中、藤咲さんがふと人形を見つめた。

「それより、この子の名前はどうします? それに……店長、人形を嫌がってましたけど大丈夫かな?」

「うむ、それだ!」カインが眉をひそめる。「やっぱりもう一度ローザのところに――」

「嫌だ嫌だ嫌だ!ここがいい!」

 人形が突然叫び、バシッ!とカインの頭に金属音が響く。

 見ると、どこからかタライが落ちてきて、カインの頭に直撃していた。

「ぐっ……またタライか!」

「こいつ本当に除霊されたのか?」カインは痛む頭をさすりながら睨む。

「出来てる出来てる!もうイタズラしたい気持ちはほとんどないよ!」

「“ほとんど”って言うな!」


 そこへ、タイミングを見計らったように店長がバックヤードに入ってきた。

「おかえり〜。どうだった? あれ? 連れて帰ってきたの?」

 ちらりと人形を見て、ふぅん、と興味なさそうに首を傾げる。

「ま、騒ぎだけは起こさないでね」

 そう言い残すと、またどこかへ消えていった。

「……大丈夫ってこと、なんですよね?」

 一二三先輩が不安げに呟く。

「どうだろうな。我の頭にまだタライが落ちてくるようだが……」

 カインは天井を見上げながらぼそっと言った。

 その瞬間――カコンッ。

 再びタライが落ちた。

「なっ!?」

「ははっ、偶然だよ?偶然!」と人形が笑う。

「偶然が連続で起きるかっ!」

 藤咲さんと一二三先輩は、笑いをこらえながらカインを見ていた。



このまま続けていいか迷っています。

活動報告に書いているのを、一度読んで頂けると有り難いです。

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