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祝福されたテイマーは優しい夢をみる【2巻発売中】  作者: はにか えむ


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99.ライバル出現?

 今日は一回目の実践授業だ。全クラス合同で転移ポータルを使って草原に行く。

 そこには弱い魔物しか棲息していないから、初陣にはもってこいなんだそうだ。

 僕らは期待に胸を踊らせながらイヴリン先生について行く。

 ポータル管理のお兄さんは引率されている僕らを見ると、頑張れよと手を振ってくれた。生徒が来るのは慣れているんだろう。

 

 草原に到着すると、イヴリン先生が話し出す。

「はーい、みんな!今日の目標は一人一匹魔物を狩ることでーす。狩ったら事前の授業で習った通り、解体までして先生のところに持ってきてね!魔物を狩るのが初めてじゃない子は初めての子をサポートすること!では、いってらっしゃい!」

 

 先生の言葉に僕らは早速行動を開始する。

「ごめんねシロ、モモ、クリア、今日はお手伝いは無しね。この近辺なら自由に遊んでていいから、気をつけていっておいで」

『わかった!遊んでるね!モモは僕が守るから安心して!』

 シロが頼もしく言うと、イヴリン先生の後方に駆けて行った。

「あら、エリス君達は従魔の力に頼らないのね。偉いわねー。頑張って狩りを成功させてね」

 イヴリン先生が褒めてくれる。アオだけは連れていくけど、回復特化のスライムだということは先生も知っているから緊急事態の備えだと思ってくれたみたいだ。

「でもシロが獲物を狩るとこ見てみたかったな!きっとカッコイイんだろうなー、今度見せてよ、エリス」

 同じ班のセス君が楽しそうに言う。それにいいよと返して、出発しようとした矢先に誰かに声をかけられた。


「お前、エリスだよな。ちょっといいか」

 声をかけてきたのは太陽みたいな金髪の男の子だった。二年生にしてはちょっと年齢が上に見える。こんな子いたっけ?

「俺はトレバー・フォレスト。今年からホワイトクラスに通うことになった。ソドム・カデリー様の弟子だ」

 例の途中編入の子か!それにしてもソドムさんの弟子なのか、凄いな。

 ソドムさんは七賢者の内の一人だ。生きている七賢者の中では唯一『魔法使い』のジョブ持ち以外の弟子をとっている。でも弟子になるための試験はとても厳しいことで有名だ。才能がなければ見向きもされないのだ。

 たまにおばあちゃんの元に来てくれて、美味しいお茶を入れてくれたのを覚えている。

 

「マリリン様が言っていた。お前がすごいテイマーだって。でもテイマーとしての腕なら俺は誰にも負けない。エリス、俺と勝負しろ!今日中により多くの獲物を狩った方が勝ちだ!」

 そう言ったトレバー君の後ろには、シロの半分ほどの大きさのウルフが三匹居た。みんな任意テイムみたいだ。

「ごめん、無理だよ。今日は授業だからちゃんと先生の指示に従わないと。僕は討伐経験者だから他の子のサポートをしなきゃ。ごめんね、また今度ね」

 僕が言うと、トレバー君は項垂れた。

「う……しかたないか……。じゃあ今度勝負だぞ!絶対だからな!忘れるなよ!」

 そう言うと、トレバーくんは去っていく。なんか悪い子じゃないんだろうけど嵐のような子だったな。ホワイトよりレッドクラスの方が似合いそうだ。

「ライバル出現?」

 テディーがからかう様な口調で言う。僕は別にテイマーとして競うつもりは無いんだけどな。みんな家族だし。

『一番はエリスなの!エリス、今度会ったらボコボコにしてやるの!』

 アオが不穏なことを言い出した。ボコボコは駄目だよ。穏便に行こう。

 

 トレバーくんの声が大きかったから、僕らは目立ってしまっていた。なんだか恥ずかしくなって逃げるように討伐に向かう。

 この草原に多くいるのはラビット種にマウス種、スネーク種、稀にボア種だ。狩りやすいのはラビット種だから、まずはラビット種から探そう。

 今はモモが居ないからラビット種を狩っても大丈夫だろう。

「ラビットは糞とか足跡とかから探せるんだっけ?巣を見つけられたら沢山狩れるかな?」

 ダレル君とセス君ががキョロキョロと辺りを見回しながらラビットを探し出す。経験者の僕達は極力口を出さない。やがて一匹のブラウンラビットを見つけた。

「ねえ、まずはお手本を見せてよ」

 ダレル君が言うので三人でラビットを足止めしつつ風魔法で攻撃した。あっという間にラビットは動かなくなる。

「なるほど、一人が足止めしてもう一人が攻撃すればいいんだ!魔法だけで討伐するのは大変だって聞いてたけど、人数がいれば案外簡単そうだね」

 セス君が嬉しそうに狩ったラビットを見ている。セス君は食べることが大好きで、この後の狩った獲物を使った野外炊飯を誰より楽しみにしていた。モチベーションが上がったようで何よりだ。

 

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