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祝福されたテイマーは優しい夢をみる【2巻発売中】  作者: はにか えむ


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80/186

80.クリアの為の

 さて今日は休日だ。クリアのための色々を買い足さないといけない。その為にダレル君と約束していた。

 いつもの様に午前中は回復薬を作ってパスカルさんのところに納品する。パスカルさんは幻鳥を見て大喜びだった。人生で一度見てみたかった魔物らしい。クリアはパスカルさんのことが嫌いじゃないようで、消えてみたり戻ってみたりとパフォーマンスしていた。なんだかんだ目立つのが嫌いじゃないのかもしれない。

 

「しかし本気で気をつけろよ。幻鳥を欲している収集家は多くいる。なにかの事件に巻き込まれないようにな」

 そう言って頭を撫でてくれる。今日は防犯グッズを沢山買い込むつもりだから大丈夫だ。

『俺ってそんなに珍しいのか?そんなことないと思うんだけどな』

 幻鳥からしたら仲間はそこら辺に居るんだろう。ただ、人間が見つけられないだけだ。

 クリアは大きくなれば容易く捕まえられない大きさになるけど、今はまだ小さい。心配だからなるべくシロのそばに居て貰うようにお願いしている。

 

 パスカルさんの店を後にすると、僕らはテイマーギルドへ向かった。クリアの従魔登録をする為だ。

 ギルドのお姉さんにも驚愕されてしまった。今の所、幻鳥の従魔登録は無いらしい。心配したお姉さんに従魔の防犯対策の冊子をもらった。こんなのあったんだな。

 

 従魔登録も無事終えて、いよいよ今日のメインの買い物だ。ダレル君の実家に駆け足で向かう。ダレル君は満面の笑みで迎えてくれた。

「必要そうなものを色々用意しておいたよ!少し大きくなっても問題なさそうなサイズ感のを集めてみたから好きなのを選んで」

 店の一角のテーブルに、たくさんの品物が集められていた。僕はダレル君にお礼を言って、早速選び始める。

 真っ先に選んだのは防犯グッズだ。クリアに説明しながらいくつか選んだ。

「それと止まり木のことなんだけど、持ち歩くのは大変だろう?だからシロの背中に止まり木付きの鞍を付けたらどうかなって思うんだ。エリスもシロに乗る時鞍があった方が良いでしょ?」

 すごくいいアイディアだと思った。僕はシロにそうしていいか聞いてみた。

『いいよー。クリアもエリスも重くないしね』

 流石シロ、見た目以上に力持ちだ。

「特注になるから、直接いい職人を紹介するよ」

 

 僕は他の買い物を済ますと、ダレルくんについて行く。

 少し入り組んだ路地を進むと職人さんの住む店にたどり着いた。

「おお待ってたよ、この子がジャイアントウルフか!素晴らしいな!幻鳥の雛なんて生涯一度巡り会えるかどうかだ!素晴らしい!」

 なんだかすごい人だ。シロたちを見て大興奮している。

 ダレル君と同じ魔物マニアなのかな?

「品物はもう出来ているよ、あとはサイズ調整だけだ。いやあ、楽しい仕事だったよ、ありがとう」

 ダレル君が事前に製作可能かの確認だけしてくれていたようだけど、なんだかもう製作されていたみたいだ。ダレル君が慌てている。

「いやなに、話をきいてどうしても作ってみたくなってね。気に入らなければ店頭に並べるだけだ、気にしないでくれ」

 どうやら職人魂が刺激されていたらしい。出来上がっているというそれを見ると、確かに後方に低い止まり木の付いた鞍だ。シロにも丁度いいし、僕は気に入った。

 

 試しにシロに付けてみると、サイズが多少自動で変化する魔法がかけられていた。その場で職人さんが細かい調整をしてくれる。シロは違和感なく歩けているようで、気に入ったみたいだ。クリアの止まり木も後から木の太さを変えられるようで、大きくなっても大丈夫なようになっている。

 僕は職人さんにお礼を言った。とてもいいものを作ってもらったと思う。

「いやあ、こちらこそ面白いものを作らせてもらったよ。ジャイアントウルフと幻鳥にも会えたしね。サイズが合わなくなったりしたら何時でも直しに来てくれ」

 職人さんは上機嫌で少しオマケしてくれた。先走って作ってしまった詫びだという。僕は得しかしてないんだけどな。

「ごめんね、悪い人じゃないんだけど、どうにも面白そうな依頼だとやりすぎちゃう所がある人で……」

 ダレル君にも謝られたけど僕は気にしていない。今日はいい買い物が出来たと思う。

 

 明日はクリアを連れての初実戦だ。冒険がどんな風に変わるかとても楽しみだ。

 今日で必要な物は揃えたし、冒険者階級も銀級になった。明日の冒険はまだ様子見だけど、きっと前より楽しい物になると思う。

 

 

 

 おばあちゃん、冒険者としても僕は上を目指すからね。テイマーだからみんなの力に頼ってだけど、きっと最高の冒険者になってみせる。

 楽しみにしていてね。

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