28.モモの能力
モモをテイムした翌日。今日も僕らは冒険に行くことにした。
テディーとグレイスが体力的に問題がないと言うので、軽く狩りをする事にしたんだ。
「今日もゴブリンでいいか、戦い方が掴めるまでゴブリン狩りしよう」
確かに僕たちはようやく戦い方が掴めてきたところだ。安定するまではターゲットを変えない方がいだろう。
「今日もよろしくお願いしますね、シロちゃん」
グレイスがシロを撫でながらお願いしている。
『まかせて!ゴブリンを沢山探すよ!』
シロの鼻には本当に助けられている。
今日からモモという新しい仲間も加わったし、どうなるか楽しみだ。
あ、うっかりピンクラビットを狩らないようにしないと、目の前で同種が殺されるところを見るのはいい気分じゃないだろう。今日からピンクラビットは森のお友達枠だ。
いつもの様に転移ポータルを使って森へ移動すると、昨日とは逆の方向に進む。この森は奥の方には強い魔物がいるので、行き過ぎないように注意して進んでゆく。
シロが鼻でゴブリンを探している間にテディーの鑑定で植物を採取する。ゴブリンが見つかると狩るのいつものルーティンだ。
僕らのゴブリン狩りを眺めていたモモが言った。
『エリス、私がシールドを張りましょうか?』
今前衛組には僕がシールドを張っている。この中で一番強度の高いシールドを張れるのが僕だからだ。そしてシールド魔法は持続時間が長くない。
モモはシールド魔法しか使えないが、その分強度は僕より高い。常に後方でみんなを見ながらシールド魔法をかけてくれるならこんなに助かることは無い。
モモの提案をみんなに話すとみんなモモを褒めたたえた。その分僕が攻撃に回れるから討伐効率が上がる。モモ様様だ。
『む……私も回復なら任せるの!』
討伐では出番の無いアオが必死に存在をアピールしている。アオが居てくれるだけで回復薬を使わなくていいからすごく役に立ってるんだけどな。僕はアオを抱き上げて撫でてやる。
『後輩に負けていられないの!』
アオはこまめに皆に疲労回復の魔法をかけ始めた。
「なんかこのメンバー、負ける気がしないな」
メルヴィンの言葉に皆同意する。居たら嬉しい人材が揃ってるんだよね。
僕たちはまた周りを警戒しながらゴブリンの巣を探してもらった。
その日も巣を一つ潰すことが出来て、みんなご機嫌だ。
ギルドに戻ると職員さんに驚愕された。二日連続だもんな。僕らはシロの方を見る。シロは誇らしげに尻尾を振った。
「なるほど、匂いで探したんですね。巣を見つけるのは難しいので、出来ればこれからもたまにゴブリン退治をして欲しいです」
職員さんは嬉しそうだ、あまり新人以外でゴブリン退治の仕事を受ける冒険者達が居ないのかもしれない。それなら巣潰しの報酬が高めなのも納得だ。僕たちには丁度いい依頼だし、これからも定期的に受けよう。
「冒険者を選んでよかったな、バイトするより断然稼げるよ」
テディーは嬉しそうに報酬を受け取る。
「普通ここまででは無いはずだけどね。みんなのおかげね」
ナディアは切実な事情で小さい頃から冒険者をやっていたから、パーティーメンバーの重要性を誰より良く理解しているんだろう。皆のことをすごく褒めてくれる。
「おし、明日は学園だし、今日はコレで解散するか!」
メルヴィンにテディーが明日の予習は終わっているか聞くと、メルヴィンは目を泳がせた。あ、終わってないな。これは放課後勉強会も視野に入れるべきかもしれない。せっかく念願叶って入学できたのに、授業についていけなかったら大変だ。
ナディアが仕方ないなと笑う。グレイスはメルヴィンを応援していた。
帰宅すると、お母さんに手招きされた。なんだろうと思ってついて行くと、机の上にいくつかのリボンが置いてあった。
「モモちゃんにどうかと思って作ったの」
モモは大喜びで机の上に飛び乗った。
『わー!これ頂いちゃっていいんですか!?嬉しいです!』
僕はモモの首にリボンを結んでやった。
『可愛いの!よく似合ってるの!』
アオが飛び跳ねて褒める。女の子組はオシャレが好きだよね。
「お母さんありがとう!モモも喜んでるよ」
「良かったわ、可愛い家族が増えたから張り切っちゃったの」
その日の夜もベッドの中でおばあちゃんに今日の報告をする。
モモはとっても優秀で可愛い家族だよ。おばあちゃんにも会わせてあげたいな。
その日の夢はテスト勉強に追われる夢だった。
普段からちゃんと勉強しないからそうなるんだ。前世の僕を叱りとばしてやりたくなった。
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