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祝福されたテイマーは優しい夢をみる【2巻発売中】  作者: はにか えむ


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25.冒険者活動

 森に着くとまずゴブリンを探す。

 グレイスが皆に幸運値アップのまじないをかけてくれた。個人的に冒険者と『まじない師』はかなり相性がいいと思っている。一つ一つのまじないの効果は低いが効率は上がるからだ。そのうえグレイスは一定水準以上の魔法が使える。冒険者としては是非仲間にしたい逸材だろう。

 

 僕は途中遭遇したピンクラビットを風魔法で切り裂いて血抜きの魔法道具で中の血を抜いてバッグにしまった。

 ピンクラビットの毛皮は可愛いのでよく売れるのだ。肉も売れる。見つけたら狩るのがいいだろう。

「可愛いもふもふが……」

 グレイスは悲しそうだが、今日の僕たちはハンターだ、お金を稼がなければならない。

「おお、エリスは狩りも得意なんだな」

 メルヴィンは頭を撫でて僕を褒めてくれる。

 

 テディーは周りを見つめながら歩いていた、時折珍しい植物や高く売れる植物を見つけて教えてくれる。流石『鑑定士』である。今日は結構な収入になるんじゃないだろうか。

 ちなみに冒険で得た収入は皆で均等に分ける事になっている。

 

「やっぱお前ら勧誘して良かったよ。パーティーとしてのバランスも良いし、これなら上を目指せるな」

 メルヴィンは嬉しそうだ。ナディアもゴブリン退治の前にかなり稼げているので嬉しそうにしていた。


『ゴブリンの匂いがするよ』

 シロが教えてくれた。通訳するとみんな周りを見回して警戒態勢に入る。シロの指す方向にゆっくりと近づいてゆく。

 すると三匹ほどのゴブリンがいた。僕はナディアとメルヴィンにシールドを張って指を指す。すると二人は走っていって二匹の首を引き裂いた。逃げようとした一匹をテディーが魔法で足止めして、メルヴィンが切り裂く。

 因みにメルヴィンが使っているのは身の丈程の大きさの大剣だ。

 あんなので首を切られたらひとたまりも無いだろう。

 ゴブリンは別に売れないので討伐証明の耳だけ切り取って持っておく。

「シールド張ってくれてありがとう。助かるわ」

 ナディアのジョブは『剣士』、そしてメルヴィンのジョブは『大剣使い』だ。どうしても二人が前衛になる。前衛を守るのが後衛の義務だろう。

 グレイスはまだ戦闘の感覚が掴めないらしく、今回はアワアワしていたが。次は集中力と判断力アップのまじないをかけると宣言していた。

 やっぱりこのパーティー相当いい人選なのではないだろうか。

 

 シロが匂いを辿ってゴブリンを探すと、みんな次々狩ってゆく。途中テディーが高価な植物を見つけては採取し、ゴブリンを探してを繰り返す。あっという間に報酬アップの規定数のゴブリンを狩ることに成功した。

「今日のところはこれで帰りましょうか」

 グレイスとテディーの疲労具合を見たナディアが言う。二人は体力があまりない。年齢的にも九歳と十歳だし街暮らしで森に慣れていないので仕方がない。充分稼げたから今日はもういいだろう。

 

 森を抜ける前に少し休憩していると、シロがちょっと待っててと言って走って行った。

 帰ってきたシロの口には丸々と太ったボアが咥えられていた。

 

 僕はシロを思いっきり褒める。今日出番のなかったアオはご立腹だ。

『怪我人が出たら任せるの!』

 そう主張して飛び跳ねている。僕はアオのことも褒めてやる。機嫌がなおったようだ。

 ボアの血抜きをしてバッグにしまう。シロはみんなに褒められていた。アオがまた嫉妬心を燃やして、テディーとグレイスに疲労回復の魔法をかけている。そんな魔法も使えるんだなと僕は感心した。

 

 

 

 僕らは転移ポータルで冒険者ギルドに戻ると報酬を計算してもらう。五等分しても採取依頼しか受けられなかった頃の倍は稼げている。みんな大喜びだ。テディーとグレイスに体力がついてきたらもっと稼げるようになるだろう。

 念の為明日は休養日にしてまた明後日、冒険に行くことになった。

 

 明日は回復薬を沢山作って売りに行こう。アオにはまた頑張ってもらわないと。

 僕はシロに乗って家に帰った。

 

 

 

 ベッドの中で今日あったことをおばあちゃんに報告する。

 シロの成長に初めての冒険に盛り沢山な一日だった。

 魔物の特殊進化についておばあちゃんに聞いたらなんて答えてくれるだろう。世の中には不思議なことが沢山あるって言われそうだな。

 

 その日の夢は理科の実験でスライムを作る夢だった。

 前世の世界ではスライムは生き物ではないらしい。

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