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祝福されたテイマーは優しい夢をみる【2巻発売中】  作者: はにか えむ


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106/186

106.最後の広場

 最強のテイマーについて話したことで従魔達との絆も深まったように思う。

 僕達はご飯を食べると最後の広場に向かった。ここは水場がたくさんある、少し狭めの広場だ。

 広場に着いた僕らは唖然とした。映像越しではわからなかったが水場から湯気が立ち上っていたのである。

 

 これは温泉だ。ここはどうやら温泉広場だったみたいだ。

「そういえば、この辺りは温泉地として有名だったな」

 ジュダ君が温泉の温度を確かめながら言った。

「従魔のための温泉まで作ったのか、ドナさんすごいな」

 トレバー君も温度を確かめながら感心している。

『温泉!知ってるの、美容にいいの!』

『おっきいお風呂?わーい!入っていい?エリス』

 

 効能に美肌があるかは知らないけど、僕は深さが三段階位になっている温泉を見つけてそこにみんなを入れた。クリアは近くの止まり木でミズリーと談笑するようだ。

 クリアは水浴びをたまにするけど、さすがに温水は無理か。飛べなくなっちゃうもんな。

 

 僕はふと思って靴を脱ぐとズボンをまくり上げた。そして足だけ温泉に浸かる。それを見た二人も真似をしていた。暖かくて気持ちいい。

「へえ、これいいな。少しでも浸かると暖かいんだな」

 ジュダ君も気に入ったようで伸びをしている。

 

 みんなでしばしの休憩タイムだ。

 スライム達は何やら溶けたようになってお湯の上に浮いている。一回本当に溶けてないか心配になって持ち上げてしまって、不思議そうな顔をされた。

 持ち上げた時、心なしか柔らかかったからスライムは不思議だ。

 モモはいちばん浅い所で浴槽のヘリに前足と顎を乗せてくつろいでいる。

 大きい組はいちばん深いところで寛いでいた。

 

 なんだかまったりとした時間が流れた。

「あら、あなた達も浸かってるのね。斬新な楽しみ方ね」

 後ろからドナさんに声をかけられて、足湯を褒められる。そっか、こっちの世界ではあんまりやらないのか。

「でもいいわね、足だけ浸かる温泉なんて……従魔とも一緒に入れるし、宣伝してみようかしら」

 ぜひそうして欲しいと思う。これはかなりの癒し効果がある。

 ドナさんにパークの感想を聞かれて、最高だと答える。細かくこうだったらいいなという箇所もあったから、伝えておく。

 今日はプレオープンだからお客さんが少ないけど、グランドオープンしたらきっとお客さんが押し寄せるだろう。広いから沢山お客さんが来ても大丈夫そうなのは有難いな。

 僕らはまたドナさんと別れてもう一遊びする事にした。

 

 結局夕方の時間ギリギリまで遊び倒してパークを後にする。帰りはドナさんが見送ってくれた。

「あーめちゃくちゃ楽しかった!オープンしたらまた来ようぜ!」

 トレバー君がスライムのセレスティンを抱きしめながら楽しそうにしている。

 僕らはみんなで頷いた。

 シロ達ウルフ組はずっとブンブン尻尾を振っているから相当楽しかったんだろう。オクサナもアリアを背に乗せて機嫌が良さそうだ。

 休日の度に催促されそうだなと僕は苦笑した。回復薬を納品して午後はテイマーパークへなんて休日もいいかもしれない。

 モモがカフェスペースの本にも興味を持っていたから、遊びか読書か選んでもらうのも良さそうだ。モモはきっと読書を選ぶだろう。

 僕らは感想を語り合いながら家路についた。

 

 

 

 家に帰っておばあちゃんのペンダントに今日あったことを報告する。はっきり言ってクタクタに疲れていたけれど、おばあちゃんに話したいことが沢山あった。特に最強のテイマーについて僕は話したかった。強制テイムはしちゃダメだというおばあちゃんの教えはきっと正しかった。僕はテイマーとして従魔達を家族だと思って大切にしようと思う。そしたら、きっと僕も最強のテイマーになれるよね?おばあちゃん。

 

 その日の夢は愛犬のポメラニアンとフリスビーの大会に出場する夢だった。

 大会なんてあるんだな、今度ドナさんに提案してみよう。従魔と一緒に出られる大会があったらきっと楽しいよね。

 

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