怠けん坊知事〔5〕
「でも南蛮男って親近感あるわ。」
栞が言う。
「矢部栄治か2号で、しーちゃんは3号だ。」
和夫は調子に乗って付け加えた。
「二つ名はどうするの。」
栞が和夫に尋ねる。
「俺はムネ肉の和、矢部はモモ肉の栄治、栞はタルタルのしー。」
「勿論、緑茶五右衛門が考えたんでしょ。」
「その通り。」
和夫と栞のテンポの良い会話は更に続く。
「4号と5号はいるの。」
「真と実に頼む。4号が甘酢のシン、5号がキャベツのジツ。」
「それだと実君が少し可哀想。」
「そんな事は無い。実は〈影から補佐する燻銀〉のハムカイザーだ。」
「それなら2号が真君で4号を矢部君の方がしっくりこない。」
栞は和夫に提案した。
「そうだな、そうするか。2号モモ肉のシン、4号甘酢のえーに変更。」
「あら、先生に相談無しで決めちゃった。」
「この際、先生にも参加して貰おう。屁理屈博士だ。」
「面白ぉい。和君、こっちをメインに活動しようよ。県知事の立候補は諦めた方がいい。」
栞は笑いながら和夫に言った。
「しーちゃん、いきなりヒドいこというなぁ。」
「だって今の和君楽しそう。昭和じゃないのよ。令和だよ。楽しくやんなきゃ。」
「確かにトップ・アスリートも楽しみながら効率の良いトレーニングして結果を出す時代だ。日本は欧米に半世紀遅れてる。」
「料理だって時間がなけれぱ粉末の出汁やパックの千切りキャベツ、余裕があれば出汁取ってキャベツの玉をカットの時代だもん。」
「話は聞かせて貰いました。5号、千切りキャベツのジツです。」
和夫の影から実の声がして和夫と栞は顔を見合わせた。




