表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/103

『怪盗vs学者〔3〕』

「それではボス、私ちょっと出かけても大丈夫ですか。」

「構わんよ。」

 そう言われて直美は愛銃をバッグの中に仕舞った。テリーの視線はバッグに仕舞われるまで短銃を追っていた。

「なぜ僕がルガーと南部を比較したのか解るかい。」

「解りますわ。南部式小型拳銃にはヒトラーへの献上品があります。ゲーリングへの象嵌仕様を意識したんでしょう。でも構造は観賞用のルガーではなく実用性のP-38(ワルピー)ですもの。制作したのは東京ガス電気工業。」


 直美は手入れの行き届いた南部式小型拳銃通称ベビー南部を愛用していた。しかもそれが東京ガス電気モデルであることもテリーは知っていたが、ヒトラーへの献上品に実用性があるのは初めて聞いた。

 テリーは直美が東京ガス電気モデルに(こだわ)る理由も何となく解った。

「まさか献上品の南部も撃てるのか。」

「撃てるはずです。弾倉(マガジン)2個分くらいなら。」

 テリーが問い掛けると直美は答える。

「まるで2丁を比べたみたいだな。」

「仕事柄、調べただけです。東京ガス電気には献上の記録があったとか。でもドイツ側にはありません。」

「どうしてだ。」

「ヒトラー総統が日本製を愛用していたなどと世界に冠たる第三帝国の記録には残せないのでしょう。」

「解らん、それだけか。」

 そう言ったテリーに直美は

「画家志望のヒトラーに浮世絵や水墨画なら解ります。でも総統が日本の工業製品だと表には出せなかったのかもしれませんね。ヒトラーがドイツ人にしては小柄だったのも愛用した理由でしょう。私もP-38(ワルピー)よりベビー南部(ベビー)がしっくり来ます。それに私は日本人ですもの。」

 直美がそう話すとテリーは頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ