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宮崎弁だよ 日向異人(ひむかいじん)

「さらば諸君、また会おう。」

 蝙蝠雄(バットガイ)は染みに漂白剤を掛けたかのように消えた。

 フーちゃんもつい先程までとは別人の凛とした表情で歩き去った。


 森市〆(バットガイ)が消えると矢部が喋り始めた。

「先生は日向異人(ひむかいじん)ってご存知ですか。師匠(さいとばるかずお)は〈起源は天孫降臨の時期に遡るが、ネット時代に急激に増殖し始めた新怪人だ。〉と口癖みたいに言います。」

「聞いたことはある。それこそ西都原さんと言うか、西田さんと言うか、神武男(ゴッドマン)と言うか、君の師匠からだよ。」

「そっか、師匠は二ツ名だけでなく三ツ名もありますからね。どれが通り名なんだろう。」

「元知事だろう。」

「ですよね。」

 緑茶と矢部の話が脱線すると、真が

「話を戻しましょう。仰怪人(ぎょうかいじん)ではなく日向異人に。」

と口を挟んで来た。

 緑茶が

「真面目に歴史の考察で進めるのかい。それとも最近流行りの異世界ファンタジー風に行くのかい。」

と尋ね、真は

「歴史の考察でお願いします。」

と答え、矢部も

「ボクもそっちがいいです。異世界ファンタジーの話をする人はたくさんいますから。」

と言い、緑茶は話し始めた。

「日本列島に大陸や南方から人が渡って来たのが序章。特に大陸からは民度の高い人たちが来た訳だ。それを天孫降臨だとして天津神や国津神の逸話と絡めると面白い。縄文人と弥生人との接触にしてもいざこざもあっただろうし、友好的な関係もあっただろう。人間関係だ。単純に括れるものではないが、天孫降臨族と土蜘蛛の関係も逸話の一つかな。」

「光と影ですか。」

 矢部はもっと聞きたいという表情で緑茶の話を聞き真は黙って聞いている。

「変身や影化が現実に起こっている。文章にするとプチ・ファンタジーだな。」

(いや)、モロ・ファンタジーなってますよ。」

 矢部が笑う。

「取り敢えずファンタジーのプロット風に仮説を立てよう。影が天孫降臨族(かみ)と人間の混血(ハーフ)なら日向異人は神と土蜘蛛の混血なんだろう。現実的に言い換えると支配層と一般人の混血ならば影、抵抗側と一般人の混血は仰怪人、支配階級と抵抗勢力の混血が日向異人かもしれない。」

「先生、凄いですね。」

と矢部は感激している。

 緑茶は笑いながら、

「もちろん『ロミオとジュリエット』は参考にしているが、目の前の実君と朱美さんは現実だからな。〔千読百聞は一見に如かず〕だ。」

 真はプッと吹き出した。

「神と人間の接触で変身と影化が覚醒した。とにかく宮崎でも(しこう)が混じり合っていればさまざまな能力が突出しても可怪しくはない。SNSが〔思考の混血〕を生み出し、神代のDNAを刺激して森市のような影化と操影術の覚醒もあり得る。まだはっきりと分類していないが、(しこう)の澱みを邪界(じゃかい)、力を行使する者を邪鬼(じゃき)、力に操られる者を邪兎(じゃっと)と仮定しよう。邪鬼と邪兎を纏めるときは邪蟹(じゃがね)だ。」

 緑茶が言い終えると矢部が

「つまりは森市とフーちゃんは邪蟹で森市が邪鬼、フーちゃんは邪兎ですか。」

と言い、緑茶は

「そうなるかな。」

と笑っている。

 真は

「仮説は必要ですからね。森市の覚醒も説明できる。日之影家は神代まで遡る影の家族歴史だ。」

と大笑いして、

「先生、この際ですから〔じゃろう〕も加えてください。」

と言い、緑茶は

邪楼(じゃろう)は邪界で邪蟹が棲む館だな。」

と答えた。

「もう無茶苦茶だけど、邪界がどう言う処がその映像が頭の中に浮かびます。ついでに〔じゃった〕もお願いします。」

と矢部栄治が言う。

 緑茶は

「仰怪人や日向異人の発生頻度が特に高い場所が邪田(じゃった)だな。」

答えた。

「てっげ、やべぇじ。やっぱモロ・ファンタジーだ。」

 矢部栄治は楽しそうに言った。

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