頂戴女子フーちゃん〔2〕
日之影真と日之影実が緑茶と朱美の影に戻ると野次馬は次第に散り始めた
森市〆は自分から注目が逸れてしまってイライラした。その上〘頂戴女子フーちゃん〙が「ハムカイザー。」と口にしたら野次馬の視線はかなりフーちゃんに注がれた。森市は自分を落ち着かせると自分の番組の投稿を思い起こした。番組にはフーちゃんと言うラジオネームでの投稿が結構ある。フーちゃんの投稿が読まれると必ずリプライが来る。〈フーちゃん、頑張れ。〉とか〈俺がついてるぜ。〉等だ。
森市に〈フーちゃんはパパ活女子だ。〉会話する野次馬の声が聞こえた。森市は嬉しくなった。〈パパ活をしているなら心に隙があるだろう。フーちゃんを呼び戻そう。〉と決めた。森市は影には入れないが操ることはできる。フーちゃんはこの状況下でもパパ活の獲物を捜し、歩いては停まりを繰り返していたのでそれほど離れていない。誰かに声をかけてもらいたそうな雰囲気も漂わせている。森市はそれを利用して自分の方に向かわせた。フーちゃんは驚いた。足が勝手に動く。どうしたのだろうと原因も解らないまま森市の近くまて歩いた。
「少女よ、何か悩み事があるのではないか。先ほど〈ハムカイザー〉と叫んだな。案ずるな。ハムカイザーは俺の下僕だ。そして君は俺たちの仲間だ。」
森市は腕を組み宙に浮いたままフーちゃんに言った。
「森市、凄いこと言ってますね。。」
と矢部栄治が言う。緑茶が苦笑いをすると、
「好きにさせとけよ。」
と影の中から真の声がした。
「あきれた。」
栞はそう言って西田の顔を見た。
朱美は自分の影に向かって、
「実、あなたも下僕なの。」
と笑った。




