怪盗vs学者・番外編〔0〕〜ダーティー梁井
日之影真と実が影伝いで緑茶の五右衛門の書斎へとやってきた。
「先生お久しぶりです。」
実が緑茶に声を掛ける。
「実君は随分と地味に行動しながら内容は派手だったみたいだね。」
緑茶が言うと真が話し始めた。
「何ですか、その言い方。矛盾した言葉を並べて変な比喩で表現するのが先生の文章ですけど。」
真が話し終えると実が言う。
「21世紀になって話題になっている民主主義と専制政治の話でもとしようと今日はお伺いしました。」
「ずいぶん硬い話だな。ヒーローを成敗して疲れてるだろうから勉強会は止めてもう少し軽い話にしよう。」
「どんな話ですか。」
緑茶が言うと実が尋ねた。
「『怪盗vs学者・番外編』だな。脇役が主役の章だ。」
緑茶を補填するように真が実に言う。
「つまりは日系三世の梁井ハロルド・フランシス保太刑事とロサンゼルス市警クラリスの話ですか。」
「とりあえず、ちょっとだけ朗読するかな。」
緑茶は朗読を始めた。
『怪盗vs学者・番外編〔0〕〜ダーティー梁井』
「クラリス、怪盗と一緒に寺原太輔も来てるようだ。ガンマンとは遺恨のある梁井刑事のこと。当然、無断欠勤している。国際警察の怪盗担当刑事は怪盗が動き出すと天下御免の問答無用で行動できる。だが梁井刑事は独断と偏見で行動する。奴は言って聞くようなタイプではない。そこでだ、いつものようにFBIから君に要請が降りた。君の方は梁井刑事が無断欠勤した場合、アメリカ合衆国なら天下御免で行動できる。サンフランシスコ市警も〈頼むよ。〉と言ってきた。」
署長の言葉にクラリスは答えた。
「要するに梁井刑事の行動を監視すればいいんですね。携帯するのはマグナムと斬鉄脇差がいいかしら。」
ジョーク混じりのクラリスに署長は、
「好きにしたまえ。それから怪盗の情報も確実に伝えてくれ。怪盗は君に意図的に接触してくるからな。」
と笑いながら言う。
「了解です。怪盗がまた動き出したんですね。ヒトラーの黄金のP-38が暴発した例の件でしょうか。」
クラリスはサラリと言ってのけた。




