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守秘義務は何処へ行った

 宮崎県警宮崎中央署生活安全部魑魅魍魎対策室ではヒーローズの岩宿とハムカイザー、ハムカウジー兄弟との対決にどう対処するかの会議が行われていた。


「君達もすでに解っているとは思うがヒーローズの行動に我々は関与できない。ヒーローズは怪人と名のつくものが登場すれば天下御免で行動ができる。」

 室長の西郷がそう言うと梯が質問をした。

「まず怪人の定義を知りたいです。例えば仰怪人や亜怪人も怪人に含まれるかどうかです。」

「仰怪人と亜怪人は怪人ではない。これから怪人になる可能性が高い予備類だ。」

 西郷は答えた。多網も質問をする。

「もし日之影兄弟が怪人化せずに登場した場合はどうなりますか。」

「一度怪人化したものは怪人だ。例え双方が変身前の状態で戦ったとしても一般人の抗争ではないため警察権は行使出来ない。但し、日之影真と実がヒーローズと戦わずに怪人として暴れれば即座に現行犯逮捕ができる。」

 西郷の返答に梯が再度質問をする。

「ヒーローズと宮崎県警にはどのような契約があるのですか。その辺の線引きが曖昧だと今の時代は誰かが動画を拡散した際に厄介なことになります。例えば大泥棒の孫は事前に犯行予告を出しますし、それがあればインターポールの担当刑事は自由に動き回れると聞いてます。我々の動ける範囲が知りたいです。」

「あのお孫さんの件は特例中の特例。但しキリスト教圏でのみ行使できる国連の極秘事項だ。否、単なる都市伝説だ。ただヒーローズには暗黙の了承がある。変身前の怪人には手を出さない。」

「ヒーローズにはグレーな部分がかなりある訳ですか。今の時代、公になった場合にそれが通用するとは思えません。対決の噂が外部にもかなり漏れていると言う情報があります。事実、〘FMひむか〙の森市〆は既に知っています。」

 普段はあまり口を開かない川塚が言う。

「私もそう思います。宮崎神宮の仰怪人の件では〈警察の静止が遅い。〉とネット上の書き込みが多数あり、現在もそのクレームの電話が入ってます。ヒーローズが変身前なら我々は早めに静止の意思表示をするべきだ。」

 川塚と仲の良い岸も発言した。

「話の腰を折るようで申し訳ないのですが、皆さんはここに日之影兄弟が侵入していることを前提に話をされてますか。」

 梯が突然言う。会議室はどよめいた。

「相変わらずいい感してるね、絵楠君。」

 日之影実は梯の影の中から喋った。

「君たちに一つ教えてあげよう。対決の場所は変えたよ。警察にどうも口の軽いやつがいて、場所を森市〆に喋った。本当に守秘義務も何もあったものではないね。森市〆に場所は再度伝えるよ。あいつは影らなくても暴走を始めている。どんなふうに暴走するか見てみたい。それじゃあ、これで失敬するよ。絵楠君、本当に消えるから安心したまえ。」

 実は絵楠の陰から去った。

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