初動ミスをしただけなのに
SNS上ではハムカイザーとハムカウジーが徐々に話題になり始めた。
〈宮崎にダークヒーローが登場だぜ。〉
〈ダークヒーローなのか。ご当地ヒーローの好敵手じゃないの。〉
〈ご当地ヒーローって全国どこでもいるけどあんまりライバルの話は聞かないよね。〉
〈ご当地ヒーローモノは悪役のいないプロレスだな。 ベビーフェイス同志がいい試合をして握手して終わりです…みたいな。〉
〈それでいいんじゃね。世の中平穏無事だったら無理矢理に悪者作るなよ。〉
〈悪者作ったんじゃねぇよ。小さな不満が溜まり溜まって爆発だろ。〉
〈そうそう塵も積もれば山となる。ゴミが貯まれば悪となる。〉
〈訳わかんねぇのが沸いてるぜ。〉
〈警察が仕事しねえからそうなったんだろ。〉
〈そのうちフランスの風刺画に『日本のSP』なんて漫画が掲載されるかもな。〉
〈それ言い過ぎ 。〉
〈大丈夫。そのうち管理者が削除します。〉
〈警察にゴミ掃除させようぜ。〉
〈それでいいんじゃね。世の中平和になるんだかんな。〉
〈ゴミ掃除は立派な仕事ですよ。〉
「本当に言いたい放題だな。まぁ確かにそのうちいくつかは削除されるだろう。」
多網が言った。
「緑茶先生はSNSをやらないけど、誰かがテロワーズの宮祭香さんの件をアップさせたら仰怪人絡みで揉めそう。五味田総務部長が香さんの泣いたのを見て勝手にストーカー扱いしたんだから。事実は違うし従業員も知っている。」
梯が言うと多網は
「相変わらずこだわってるな。」
と言った。
「警察も初動ミスを犯してるわけでしょ。でも短袴巡査だけがあんな風に苦しむのを見ると私は日之影兄弟のやり方を納得できない。」
突然、梯の影から声がした。
「梯絵楠君、またまた参上しましたよ。ハムカウジーです。勘違いをしてもらっては困る。僕は亜莉須ちゃんを助けたいんだよ。できれば汚名返上させてあげたい。緑茶先生には亜莉須ちゃんをミスミスポリスにしないでくれと言ったんだがそれは無理みたいだ。せめて許してあげて欲しいと頼んだんだがそれもダメだと言った。結局、緑茶先生は初動で香さんが傷ついてしまったのを許せないみたいだな。それと勘違いしないように。そう言った誤解を解くのが僕たちの仕事だ。表に出ないで裏でこっそりとね。」
そう言うハムカウジーに多網は声を荒立てて言った。
「じゃあ何故、 宮崎神宮では仰怪人を暴れさせたんだ。」




