表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/103

宮崎良い処、一度はおいで

 助手席の梯は幾つかの拡散された動画の中から仰怪人の行動が比較的解りやすいものを選んで見ていた。

 選んだ動画は仰怪人が喚き散らすところから始まっている。

「金ならいくらでも出してやる。この金額分の運玉をよこせ。」

と仰怪人が言う。売場の巫女が

「そんなにたくさんはないんです。」

と答えると、仰怪人は即座に

「そうか、分かった。」

と言い

「神様の野郎もこんな玉コロよりは金の方がいいだろう。〈地獄の沙汰も金次第〉と言うからな。」

と札束のフィルムを破り、万札を丸めて霊石亀石に投げ始めた。フィルムから出したばかりのピン札はまだ腰があってしっかり丸くなる。仰怪人の男はそれを礼式に従って左腕で投げる。このあたりになるとかなりの人数が仰怪人の行動を撮影していた。動画には〈警察を呼んでるのか。〉〈お前は何をしているんだ。〉等の音声も入っている。

 そして仰怪人の

「宮崎はいいところだからと思って越して来たのに、こんなに嫌な街だとは思わなかった。なのに森市〆のヤツは今日もラジオで〈宮崎は人の心も暖かい。〉と抜かしてやがる。」

の喋りも録音されている。警察官が駆けつけたところで動画が終了していた。


 梯は

「この人、宮崎で余程嫌なことがあったのね。」

と言い、更に

「緑茶先生の小説みたい。『天使になりたかった魔女』で主人公が商品券を丸めて総務部長に投げつける場面にソックリ。オマージュかしら。」

と補足した。

 梯から話を聞いていた田網は

「生々し過ぎるだろ。」

と半分笑い半分は顔を引き攣らせている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ