表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/102

電脳妖怪ナリスマシ

 ラジオパーソナリティの森市 〆(もりいち しめる)はある日の放送中、喉に違和感を感じた。 照明によって出来た自分の影が揺らいだように見えた。〈風邪か。喉を痛めてはまずいな。仕事に支障をきたす。〉そんな不安がよぎったがいつしか全身をマッサージをされているような心地よい気分になった。

 さらに森市は自分が正義の味方になったように錯覚した。喋りまくった。

「最近のSNS上の誹謗中傷にはひどいものがあります。自殺者も複数出ているくらいですね。許せません。特に抹茶粉右衛門(まっちゃのこなえもん)と言うブログはひどい。宮崎県人なのに宮崎のことをボロクソ言ってます。宮崎の人気店はどの店か判るような記載をして貶す。私はこの男を許せない。」


 森市には仕事の関係上、警察や通信会社にも友人がいた。警察からの依頼だと言う事にして緑茶五右衛門なる小説家の携帯とパソコンを覗いた。

 その日から森市〆は抹茶粉右衛門と言う名前で書き込みを始めた。


 緑茶五右衛門と抹茶粉右衛門の携帯やパソコンの内容が酷似している事から宮崎県警生活安全部は同一人物だと判断した。

 警察は緑茶五右衛門の行動確認を頻繁に行った。緑茶は旧陸軍の情報将校だった祖父の話を思い出し苦笑した。海軍の日之影真之助の話だ。パソコンの音楽制作ソフトで〈無脳警察〉というバンドを結成して『イヌコロ』という曲を作曲した。

 この時、生活安全部にいた西郷俊介と山村隆一は〈こいつ、ふざけやがって。いつか尻尾を掴んで逮捕してやる。〉 そう思っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ