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無能警察

 天野は安川と岩宿に戦後の日之影家の経緯を話した。

「真之介だけでなくその息子、そして孫。つまり(まこと)(みのる)の祖父と父だな、この二人も国家に目をつけられて警察に監視されていたんだ。いわゆる行確だ。」

「行動確認か。」

と安川が言う。

 天野は話を続けた。

「やがて行確される不快感が積もりに積もって影化(えいか)するようになったらしい。祖父は数えるくらいだったようだが父の代になるとかなり確実に影化すことができるようになった。そして真と実は覚醒したんだ。影化して他人の影に入るとその人間を自由に操れる。実は影化するとハムカウジーと名乗っている。」

「ハムカウジーな。宮崎県人ならすぐ解る。」

 岩宿は笑いながら喋っている。安川は真顔で天野に問いかけた。

「影化とは我々の変身と同じと考えていいのか。だとすれば我々一族と奴らとは繋がりがあるのか。」

「確かに変身は一族に伝わる秘伝の奥義として教わってきたが根本的な原理まで考えたことはなかったな。」

 天野は喋り終わると少し間を置いて続けた。

「それを調べるのも我々の役目だ。我々は自分を変身という形態で操作できる。ハムカイザーとハムカウジーは自らを影化して影を操る。その能力で操られているのが仰怪人だと俺は考えている。」

「さっきの中央署の会見を聞いた限りではお前の方が知ってそうだな。これではハムカイザーに無能警察呼ばわりされても仕方がない。」

 尖った言い方をする岩宿に天野が言った。

「あまり警察の事を悪く言うな。魑魅魍魎対策室を設置して真剣に取り組んでいる。我々は協力しなくてはならない立場なんだぞ。」

「確か〔無能警察〕って言い方は小説家の緑茶五右衛門が広めたんだよな。」

 安川はポツリと言った。

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