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好敵手(ライバル)のいないヒーローはヒーローじゃない

 物事には裏と表があり、人生にも光と影があります。正史は表の歴史、でも裏の歴史もあります。

 少しだけですが地元の逸話や伝承を自分なりの解釈で拾って書いたりもしています。

 宮崎県は〈神話のふるさと〉と言われている。神々が天孫降臨した土地だからそう言われている。

 そしてその天孫降臨した神々の末裔なるご当地ヒーローがいるのだが、ヒーローとは正体を知られてはならない。だからここではあえて[ご当地ヒーロー]と呼ぶことにする。


 日之影 真(ひのかげ まこと)と弟の日之影(みのる)は宮崎市一の繁華街ニシタチにある居酒屋〈俳鰤(はいぶり)〉で飲んでいる。


 実が真に尋ねた。

「兄さん、僕は延岡から高千穂に行く時にいつも思うんだけど日之影を通って高千穂に行くよね。これって歴史的な意味があるのかな。宮崎は〈日向(ひむか)のくに〉と言われていたんだろ。」

「いい質問だな。日本の古代史に興味があればすぐ解ることだが大王(てんのう)が太陽なら豪族は惑星みたいな存在だ。物事(ものごと)には表と裏があるけど歴史にも正史と真史(しんし)実史(じっし)があるんだよ。正史は実権を握った者達、要するに勝者の記録だな。だから都合良くすり替えられた部分もある。」

 真は実の問いに答えた。

「まるで僕たちの名前みたいだね。」

 実は苦笑いを浮かべている。そんな実に真が言う。

「お前は高千穂峡と高千穂峰のどっちに天孫降臨したと思う。」

「あまり深く考えたことがなかったな。でも観光宮崎としては〈こっちが本家だ〉と双方言い張るのかな。」

 実としてはどちらでもよかった。あまり気に留めなかったものの地元の人間にすれば重大な問題だろう。

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