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二五一話

「ここは………」


 結局その日、ギネカは復讐相談事務所を見つけれず外が暗くなったから家に帰った。

 家に帰ってもギネカは家族に心配されたが何でもないと返す。

 だが家族たちは何かあったんだと察して、それ以上聞かず黙っていた。


 そして夜、また明日も探そうと決意して眠りについたら、どこかの路地裏にギネカはいた。

 周りを見渡してみても、いくら暗くても記憶にない風景だった。

 そして何となく気になる方向へと歩いていくと明かりが付いている建物が見えた。


「こんな暗い時間に経営しているの?何て………」


 ここが何処なのか調べるのも丁度良いと名前を調べてみたら復讐相談事務所と書いてあった。


「もしかして夢?」


 少なくとも自分は家の中で寝ていたはずだとギネカは思い出す。

 今まで自覚していなかっただけで夢遊病だったのかと考えて否定する。

 もし夢遊病だったとしても外にまで出歩いて偶然、路地裏にまでたどり着いて、偶然探していた場所が見つかるなんて有り得ない。

 だから、今のこれは夢だと判断していた。

 そして探検気分でギネカは中に入る。


「こんばんわ」


 そこにはマントを被った男と二人の女、そしてメイド服を着た小さい女の子がいた。

 三人はともかくメイド服を着た小さい女の子は見ていてとても可愛らしく思える。

 思わず手を伸ばして撫でたくなる。


「イラ、飲み物を出して上げて」


「はっ、ハイ!!」


 イラと呼ばれたメイド服を着た女の子が奥へと引っ込む。

 それを見てギネカは小さい女の子一人だけでやらせるのかと不満を持ち、二人の女は心配そうに見ている。


「心配なら一緒に見てきて良いですからね?私は彼女から話を聞こうと思いますし」


 それなら早速と二人の女はメイド服を着た少女の後を追っていく。

 どうやら可愛がっているみたいでギネカは安心する。


「さて、それで復讐をしたくて来たんですよね?何をお求めで?」


 ギネカは事務員の男に話しかけられて考え込む。

 復讐したいとは思ってはいたがどう復讐するかまで考えていなかった。

 丁度良いと今ここで考える。


「ねぇ、妊娠させる薬はある?」


「無精子症などといった場合を除けば確実に妊娠させる薬がありますけど、それでよろしいですか?」


「えぇ!」


 ダメもとで言った薬が実在すると聞いてギネカは嬉しそうに手を叩く。

 これさえあればフェアニを妊娠させることが出来る。


「これを使って妊娠するつもりですか?」


「いえ、妊娠させるのは憎い相手よ」


 憎い相手を妊娠させると聞いて強姦させるつもりかと事務員は予想する。

 それなら犯されやすいように誘導する道具も渡すべきだと考える。


「それじゃあ、強姦されやすいように誘導する道具も使いますか?」


 強姦と聞いてギネカは首を傾げる。

 何でそんな提案が出てくるのか分からない。


「強姦?私は憎い相手が私の恋人との間に妊娠させるつもりだから強姦にならないと思うわ」


「???」


 事務員は意味が分からなった。

 どうして自分の恋人で憎い相手を妊娠させるのか理解が出来ない。

 普通はそれを防ぐんじゃないかと関g萎える。


「申し訳ありませんが、どういうことですか?」


 事務員に質問にギネカは本当なら教える必要は無いが道具を渡してくれることも考えて教えることにする。

 間違っていたら指摘してくれるだろうと考えたのも理由の一つだ。


「憎い相手も私と同じ学生。だから妊娠したら学校を辞めることになるでしょう?」


 ギネカの意見に事務員は少し考えて納得してしまう。

 たしかに妊娠したら学校を辞めさせられるのが想像できてしまう。


「それに上手くいけば家からも追い出されると思ったんだけど……」


 それは確かに有り得そうだと事務員は思った。

 だけど、それは恋人も同じじゃないかと考える。


「それは恋人も同じじゃないですか?」


「かまわないわ」


 恋人も家から追い出されるのにうっとりと笑うギネカ。

 何となく事務員は察して、それ以上は聞かないことにする。

 代わりに他の香水や道具を提案する。


「理性を失くして性欲を促す香水と姿を消すマントを使いますか?」


 姿を消すマントと聞いてギネカはそれは良いと手を叩く。

 それさえあれば簡単に薬を盛ることが出来る。

 是非とも使いたい。


「それじゃあ、それらの道具を使う場合、120万の金額を払ってもらいますけど、大丈夫ですか?一括にするか無利子のローンにするか選べますが?」


 最初は学生には無理な金額に文句を言おうとしたが無利子のローンと聞いてギネカは目を輝かせる。

 ただ期限のことを思い出していつまで伸ばせるのか疑問だ。


「期限のことも気にしなくて良いですよ。取り敢えずあなたが死ぬまでには貴女がどんな目にあっていても回収できますので。本来なら貴女が手にすることが出来たお金を、こちらに引き寄せるようにするだけですし……」


 そんなことが出来るのか疑問だったがギネカは夢の中だからと納得する。

 それに渡された道具が実際にそれだけの能力を持っていたら妥当どころか安いぐらいだ。


「お待たせしました!!」


 そしてメイド服の少女が持ってきたお茶とお菓子を口にして使った頭を回復させる。

 可愛い少女が一生懸命持ってきたことが分かりギネカは一層美味しく感じる。


「それでは、また。何か気になったことが有ったら来て下さい」


 その言葉と同時にギネカの視界は暗転した。

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