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二四話

「死ねぇ!!」


 大人たちは魔法を使って女子生徒たちに攻撃する。

 全員が火の魔法を使って攻撃していた。

 その姿に事務員は爆笑する。


「全員、火魔法を使うのかよ!!たしかに一番、威力は高いだろうけどさぁ!!」


 他の魔法を使わないことに納得と同時にバカだと思う。

 確かに最も威力が高いが最も目立つ。

 警察が直ぐに駆けつけて止められるだろう。


「それはつまらない」


 だから事務員は簡単に気付かれないように周り散った火を殺し合っている本人たちにはバレないように消し、何も異常が無いように周囲を隠す。

 すこしでも長く、この殺し合いを見てみたい。


「あなたが死になさいよ!」


 大人たちが魔法を使って攻撃していくのと違って女子生徒たちは武器を持って物理的に攻撃している。

 鉄棒を始めとしてハンマーなどといった武器を手にして大人たちを殴っていた。


「あがっ!」


「おぼっ!」


 殴られて優位なのは女子生徒たち。

 数の差があるが確実に当てて行って大人たちの数を減らしている。


「油断していたのか?……自分達なら年下の子供相手なら楽勝だと思っていた?」


 その結果に少しだけ事務員はつまらなく思う。

 女子生徒たちは素直に凄いと思っているが大人たちは情けなく見える。

 かなりの数の差があるのだ。

 

 それなのに女子生徒たちが優位のなのは攻撃が当たっても一切ひるまないからだ。

 服は焼け焦げ、素肌が見えている。

 その素肌もいくらは痛々し気に火傷をしている部分もある。

 たいして大人たちは一撃ごとに怯んだりする。


「先輩たちの方が復讐心は上だなぁ。本当に復讐したいなら相打ち覚悟で攻撃すれば良いのに」


 それすら思いつかないなら本当に復讐したいのかと思う。

 相談所に来れたから、そうだとは思うが残念だ。

 全員が来たわけではないし、他の者たちに期待するしかない。


「あぁぁぁぁぁ!!」


「おっ!」


 一人の女性が女子生徒の一人に飛び掛かる。

 女子生徒はそれを防ごうと女性の頭をハンマーで殴るが全く止まらない。

 頭から血を流し歯が折れて口から飛び出しても止まらない。


「っつ!!離しなさい!!」


 女子生徒に抱き着き女性は絶対に離さないとばかりに強く抱き着く。


「じねっ!」


「あぁぁぁぁぁ!!」


 そして抱き着いたままに火魔法を使って自分ごと女子生徒を燃やす女性。

 無理に暴れて離れようとするが引き離せない。


「ネグ!!」


 このままで死んでしまうと仲間たちは攻撃を中断してネグと呼ばれた仲間の元へと向かう。

 途中で邪魔をするものがいたが、それらを無視して急ぐ。

 後ろから背中に攻撃をされても全く止まらない。


「あぁぁぁ!!」


「この離せ!!」


「ふざけないでよ!!人を壊すような真似をする奴の親の癖に!」


「私の仲間を殺さないでよ!」


 三人の女子生徒の言葉に必死の思いで殺そうとする女性はだから何だと思う。

 女性からすれば全く知らない女の子たちより自分の子供の方が大事だ。

 自分の子供のために死ねと考える。


「なんだ、ちゃんと復讐する気の奴がいたじゃん」


 事務員はその姿を見て考え直す。

 ちゃんと復讐する気で全てをかける者が相手にもいた満足だ。

 だが少しだけ残念に思う。


「はっ!」


「何を!………?」


 ネグと呼ばれた女子生徒に向かって風の魔法を使う仲間。

 下手したら火の勢いが増すだけなのに何をしているんだと思ったが女性の手足を切り落としたことに納得する。

 そして女性を蹴って直ぐにネグから離す。


「悪いけど、これで許して」


 そして水魔法を使って消化する。

 これで火は消したが足手纏いが増えた。

 護りながら、この状況を打破するのは難しいかもしれない。

 他にもこの女性のように何がなんでも殺しに来るものがいるかもしれない。


「まぁ、これで終わりか」


 だが事務員は現在の状況を見て終わりだと判断する。

 先程の女性のように行動する気概があるものは一人も見当たらないのもある。

 それよりも残った者たちの数だ。

 女子生徒たちが一人脱落してしまったとはいえ、あと三人が残っている。

 対して大人たちの数は十人もいない。

 まだまだ女子生徒たちに復讐したい親たちもいるが今のこの場にはいない。

 来れないだろうとも考えいる。

 これまでの戦闘状況から勝つのは女子生徒たちだと判断した。


「「「あぁぁぁぁぁぁ!!!」」」


「うるさっ」


 女子生徒たちは気合を入れるかのように雄たけびを上げ大人たちへと向かっていく。


「取り敢えず治療するか」


 それを横目に事務員はされにも気づかれずに炎に焼かれたネグを癒す。

 焼かれたことが無かったかのように。

 これは単純に勝った方へのご褒美だ。

 少し早いが問題ないだろう。

 現に大人はもう片手で数えられる人数しかいない。


「さてと警察でもあと少ししたら来るかな?」


 それまでに逃げないと、と事務員はつぶやく。

 ネット配信をしていたから関係のないはずの第三者がいたことは既に理解させられているはずだ。

 全てを回収して逃げないといけない。


「ありがとう」


 治癒していた女子生徒からそんな言葉が聞こえる。

 焼かれているが意識は失ってなかったみたいだ。

 それに答えるつもりは全くない事務員はその場から立ち去った。

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