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一七五話

「はっ、はっ!」


 自分が生き残るために逃げようとしていた者たちは、この場から離れようと走ってもいつの間にか元の場所にいた。

 疲れているし走った実感もあるのに、何度もこの場から離れようと走っているに気付いたら走り出す前の位置にいることに恐怖で涙が出そうになる。


 目の前にある光景では学校にいた皆が次々と死んでいく。

 代表者に選ばれた者たちでも成す術もなく殺されている姿に自分達では何も出来ずに殺されるのだと絶望していた。


 それでも生きたいと思っている。

 だから何度も絶望しながらも逃げようと行動する。


「何でだよ……!?」


 それなのに、どうやっても逃げ去ることが出来なかった。


「ネストの奴……!何を身に着けていたんだ!?」


 ネストが常に身に着けていたアクセサリから死体を量産している『這い出て来た黒い何か』が出てきたと聞こえていたから、死んでしまったネストに対して文句をこぼす。

 少なくともネストが身に着けて居なければ、こんな目に遭わなかった。


「俺たちが何をしたって言うんだ!?」


 逃げようとしていた者たちは世の中の理不尽に泣き叫ぶ。

 そして今度こそ逃げ切って見せると『這い出て来た黒い何か』に背を向ける。


 そしてドンという何かを叩きつけた音がしたのと同時に逃げようとしていた者たちの前に『這い出て来た黒い何か』が現れた。

 ドンという音も『這い出て来た黒い何か』が地面を思いきり踏み込んだ音だったのだろう。

 そのことに思い至り、目の前の『這い出て来た黒い何か』から逃げようと背中を向けてしまう。


 殺しに来た化け物相手に背中を見せるという隙だらけな行動に『這い出て来た黒い何か』は容赦なく、それぞれの心臓に黒い何かが突き刺す。


「え……?」


 それだけで逃げようとした者たちの何人かは死に、まだ生き残っていた者たちは悲鳴を上げる。

 そして、まだ生き残っていた者たちも黒い何かを頭に振り払われて、頭が吹き飛び死んでしまった。


 他にも自分が生き残るために逃げようとしていた者たちは、この場から離れようと走ってもいつの間にか元の場所にいた。

 疲れているし走った実感もあるのに、何度もこの場から離れようと走っているに気付いたら走り出す前の位置にいることに恐怖で涙が出そうになる。


 目の前にある光景では学校にいた皆が次々と死んでいく。

 代表者に選ばれた者たちでも成す術もなく殺されている姿に自分達では何も出来ずに殺されるのだと絶望していた。


 それでも生きたいと思っている。

 だから何度も絶望しながらも逃げようと行動する。


「何でだよ……!?」


 それなのに、どうやっても逃げ去ることが出来なかった。


「ネストの奴……!何を身に着けていたんだ!?」


 ネストが常に身に着けていたアクセサリから死体を量産している『這い出て来た黒い何か』が出てきたと聞こえていたから、死んでしまったネストに対して文句をこぼす。

 少なくともネストが身に着けて居なければ、こんな目に遭わなかった。


「俺たちが何をしたって言うんだ!?」


 逃げようとしていた者たちは世の中の理不尽に泣き叫ぶ。

 そして今度こそ逃げ切って見せると『這い出て来た黒い何か』に背を向ける。


 そしてドンという何かを叩きつけた音がしたのと同時に逃げようとしていた者たちの前に『這い出て来た黒い何か』が現れた。

 ドンという音も『這い出て来た黒い何か』が地面を思いきり踏み込んだ音だったのだろう。

 そのことに思い至り、目の前の『這い出て来た黒い何か』から逃げようと背中を向けてしまう。


 殺しに来た化け物相手に背中を見せるという隙だらけな行動に『這い出て来た黒い何か』は容赦なく、それぞれの心臓に黒い何かが突き刺す。


「え……?」


 それだけで逃げようとした者たちの何人かは死に、まだ生き残っていた者たちは悲鳴を上げる。

 そして、まだ生き残っていた者たちも黒い何かを頭に振り払われて、頭が吹き飛び死んでしまった。





 誰も彼もが逃げられずに死んでしまう。

 まだ生きている者たちは身近な者たちが殺されたことに怒りを持つ者もいれば絶望している者もいる。

 怒りを抱いた者たちは武器を構えて『這い出て来た黒い何か』を向けており、絶望している者たちは地面に座り込んで怒りを抱いた者たちが殺されるのを見ていた。


 どれだけ皆が強くても『這い出て来た黒い何か』には勝てない。

 それが分かっているのに怒りを抱いて攻撃するのは破れかぶれになっているからだと絶望している者たちは想像してしまう。


 そして絶望している者たちも、どうやっても逃げられないのならと武器を手にし始める。

 死んでしまっても、この絶望から逃げられるのならどうでも良くなっていた。


「ルーはまだ生きているのか………」


 最初から戦っていて、まだ死んでいないルーを見て絶望していた者たちは尊敬する。

 ルー以外の者だったら既に死んでいただろうし、実際にほとんどの者は死んでしまっていた。

 そして自分以外のほとんどは死んでしまっているのにルーの眼は怒りと憎悪で輝いている。

 だから少なくとも彼女の力にもなりたいという思いが、まだ生き残っている者たちに沸き上がっていた。

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