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十三話

「思ったんですけど、フレア先輩ってフィン先輩のことが好きなんですか?」


「そうよ。そしてフィン先輩はダイキのことが好きみたい」


「へぇ」


 二学年の教室へと向かう途中、何となく気になっていたことをディアロはアクアへと質問する。

 結果は隠すようなことでは無いと肯定され、そして気付かなかったことを教えてもらう。

 ディアロからすればフィンがダイキに抱き着くのは単純に可愛がっているだけだと思っていたから予想外だった。


「貴方、優秀みたいだし生徒会に入らない?一人ぐらいなら、まだ入れるし。三角関係を傍観するのも面白そうじゃない」


 アクアはディアロの優秀さを知って勧誘する。

 三角関係を傍観するというのも餌でしかない。

 他人の恋愛を見るのは最高の娯楽だとも考えていた。


「…………止めておきます。バイトもしているし、それが楽しいので」


 心が揺らいだのか残念そうな表情をしながらディアロはバイトがあるからと拒否をする。

 すごく残念そうな表情をしていることから心惜しいと思いながらバイトを優先する姿にアクアも諦める。

 アクアにも将来の夢のために努力しているであろう後輩を邪魔する気はない。

 それでも優秀だと言うことは知ったから無理のない範囲で協力してもらうつもりだが。


「残念。ところで、こちらの仕事を手伝っても貰っているけどバイトは大丈夫なの?」


「はい。バイトの方には気にしなくて大丈夫だと許可を貰いました」


「それなら良いけど……」


 アクアはバイトよりも優先してもらっていることに少しばかりの罪悪感を抱いてしまう。

 さっさと事件が解決してほしいと祈る。

 誰が被害者になるかディアロのお陰で想像は付けるようになったが同じ学校の生徒だから、助けてくれなかったからと襲われるのを想像したら全然安心できない。

 そもそも依頼があったから協力することになっているがプロと比べて学生が力になれるのはほんの少しだと考えている。


「三年生もいましたけど二年生は苛められていた人たちも苛めていた人たちもどのくらいいるんでしょう?」


「…………」


 ディアロの質問にアクアは視線を逸らす。

 被害にあった人たちは本当に全員が苛めていた人たちなら下手したら三年より多い。

 その現実から目を背けたい。

 苛めを止めなかった自分にも。

 苛めを気付かなかった自分にも。

 そのせいで今、大変なことになっている。


「あぁ~。誰にもバレないように苛めをされれば気付かないですし、そこまで気にしなくても大丈夫だと思いますよ」


 ディアロからすれば生徒会のメンバーの前でやったら職務からも止められるから絶対にバレないように隠れてやっていただろうから気付かなくてもしょうがないと考えている。

 苛めてストレスを発散しているのに途中で止められたら逆にストレスがたまる。

 だから気付かれないように細心の注意を払っていたはずだ。


「ありがとう。そう言ってくれると嬉しい」


「あれ?その子、新しい生徒会の子?記憶では違ったと思うけど」


 アクアがディアロの励ましに礼を言うとギャルの女の子が親し気に話してくる。

 生徒会のメンバーのだけありアクアからは生真面目な雰囲気がしているから親し気な様子が意外だった。


「ちょっとした仕事の協力者だからね」


「その仕事って今、学校の被害者が多い事件のこと?生徒会ってそんな仕事もするの?ヤバくなったら逃げなよ?」


「わかっているわよ。それにしても事件のことを探っているって、よく知っているわね」


「え?生徒会が事件のことを探っているって有名だよ」


 話を聞いているだけで、かなり親しい様子が見て取れる。

 そのことにディアロは驚いた顔をする。


「そう……。ってディアロ君、なんでそんな驚いた顔をしているのよ?」


「あぁ。そんなに真面目なアクアと私が親しそうなのが不思議?これでもルールは最低限守っているわよ」


 そういってギャルはディアロへと近づく。

 ポッケから生徒手帳を取り出し学校のルールが書かれているページを開いてディアロに見せてくる。


「このページに書いてある内容を守っているかスミズミまで実際に触って調べても良いんだよ?」


 色っぽく触れてくるギャル。

 それにディアロは顔を真っ赤にする。


「何をしているのよ」


「あいたっ」


 そんな友達のギャルにアクアは頭を叩いて止める。


「一年生をからかわない」


「ごめんごめん。それじゃあ生徒会の仕事、頑張ってね」


 頭を叩かれたギャルは説教はゴメンだと、その場から急いで離れる。

 アクアの方を見ると怒っている顔をしている。

 美人なだけに怒った顔が恐ろしい。

 ディアロも恐怖している。


「はぁ。一応、言っておくけど彼女、あぁ見えて真面目だから誤解しないでね?あなたに抱き着いた時も無理をしていたし」


「はい?」


 自分から近づいてきた癖に無理をしているとはどういうことかとディアロは首を傾げる。


「もともと男の子が苦手なんだけど、少しでも克服するためにギャルになったのよ」


 アクアの言った言葉に理解が出来ないディアロ。

 男性相手の苦手意識を克服しようとするのは理解できるがギャルになるのは意味が分からない。


「何か色々と間違えてません?」


「否定はしないわ」


 アクアの言葉にディアロはなら止めろよと思った。

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