弐~今晩は人間さん~
___声が聞こえる………
「………ンサーだ!殺せ!!」
『殺せ』その言葉で覚醒した。
「何だ!?」
やばい、気配に上手く気付けなかった!こんなことだと死んだ師匠に馬鹿にされる!
「ご主人!敵襲です!」
レオンがぼくの質問に答えてくれた。
ぼくは人の気配がする方に殺気を放った。そして癖で腰に下げていたナイフを持ち戦闘体制をとった。
次の瞬間
「アイスアロー!!」
ぼくの頭上から氷の矢が降ってきた。
「ご主人!!」
どうにかしないと………!!火だ!火が欲しい!!この氷を全て消せるぐらいの火が…………!!
ぼくがそう考えたとき、ぼくの体から火柱が立った。
えっ!?服が燃えちゃ………ってない?熱くないし………あ、こりゃ死んだな。
ジュッ
…………は?
「なっ!?レッドパンサーが魔法!?」
「グラン!魔族かもしれないわよ!!人の声が聞こえたわ!」
「レッドパンサーは接近戦では勝てないよ!」
おお、魔族って概念があるんだな。
えっ、意外とレオン強い感じ?
と言うかこの火どうにかしないと!手にでも集めたりは………
と考えたと同時に火が手元に集まった。
えっ!?まさかこれ魔法!?こんなに簡単に出来る物なのか!?
「ミラ!この人手に火を集めたよ!?そんなこと出来るの!?学校で教わってないよ!?魔法学校でようやく学ぶやつ!?」
盗賊のような女性………女子?が言う
「私に聞かれても知らないわよ!グランに聞いて!!」
ミラと呼ばれた魔女のような女性。
「いや、僕も知らないね。さっきの火のやつも見たことがない。しかもこの人は魔族でも、獣族でもない人間だ!」
グランと呼ばれた騎士のような男性。さっき魔法を使ってた人だから魔法戦士かなにかか?
「おい、こいつまさか黒髪じゃないか!?俺の目がおかしいのか!?」
さっきとは違う戦士のような男性。
「え?カルトそれはどういう………!!くっ黒髪です!本当に!?」
武器は持っていないけど回りに動物を従えてる。テイマーか?
「え?ちょっとリシャー私の武器持ってて!」
「ちょっ!パレ!」
テイマーぽい人に盗賊みたいな人が荷物を預けこちらへ歩いてくる。
「ごめんね!すぐ終わるから!」
と言ってぼくの目を覗き込んだ。
「………この人目の色まで黒色だよ!」
「はあ!?」
「なっ!?」
「ええ!?」
「嘘ですわ……」
………?なんなんだ?そのあり得ないものを見るような目は………