壱~はじめまして、猫。~
……?……!??え?
ぼくは辺りを見渡した。目の前は草原。夜なようで、暗い。少し先には森が見える……
!?えっ!?
ぼくは今さっきまで裏路地で猫を愛でたあと、買い物に行こうとしたはず……なんで!?
「……まぁ、考えても仕方ない。待っている人が居るわけではないし、ゆっくり情報でも得よう。」
とぼくは呟いて森に向かって歩き出した。
暫く進むと、目の前から何かが飛び出してきた。少し驚いた。
飛び出してきたのは大きな赤い猫科の動物。体はとても大きく、1.5メートル以上ある猫だ。
猫?ま、猫で良いか。
「グルルル。」
「うーん、動物がいるなら生態系は機能してそうだな。」
と言ってぼくはあるものを取り出した。そして猫はぼくに飛びかかろうとした。
「グルルル……ガウッ!」
「ゴロゴロゴロ♪」
猫は1.5メートルほどある体の頭をぼくの体に擦り付けている。
ぼくが取り出したのはマタタビである。やっぱり猫にはこれが一番いい。え?なんで持ってるのかって?
………猫好きは持っておくべきだろう?
「にしても、マタタビに弱いのか………可愛いなぁ。」
おっと、口から漏れでてしまった。
「ゴロゴロ……………可愛いはちょっと、オレ雄ですよ?」
ほーそうなのか雄なのか………
「えっ!?喋れるの!?」
「え?喋れませんけど……えっ!?通じてる!?」
「「…………」」
驚いては駄目だ。普通なのかも………
「絶対違うと思います、ご主人。」
「えっ?ぼくの考え」
「声に出てましたよ?」
……………失敗した。ん?
「なら、なんで喋れるのか分からないんだな?」
「ん?………ご主人をご主人と認めたから?」
その適当そうな理由はなんだ…………
「おい猫。ぼくがご主人とは?」
すると困ったように首を傾げて言う。
「ね、猫………オレは一応レッドパンサーって呼ばれてますよ?何か解りやすくする名前らしいですけど。」
ぼくの質問はどこ行った………まぁ、猫と呼ばれるのが何か違うのか?名前でも付けるか。
赤い豹………ま、確かに赤いな。
「猫は嫌なようだし、ぼくが名付けていいか?」
すると少し目を見開き
「良いんですか!?」
と言う。可愛い。
「ああ、そうだな………レオンで良いか?適当なんだが。」
すると、耳をピンッと立てて呟いていた。
「レオン………オレの名前はレオン……」
うん、可愛い。
名前も決めたし、ご主人とは何か聞かねばな
「ではレオン、ご主人とは何か教えて…………ん?」
レオンがぼくにスリスリしてくるんだが、押されて座ってしまった………さっきよりも暖かい………眠気が襲ってくる………………レオン………………モフモフだな………