表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

心理学

作者: 綿上遼

「5分だけ寝るから、起こして!ねっ!」

その子はそういって首を垂らした。


火曜日の午後イチにある心理学の授業。

大講義室であるから、いつもに比べて人が多い。

そしてこの人はDVDを見せたり、話ばっかりの授業だから

ここにいる人の半分は寝ている。

ほかの人は、スマホを堂々といじったりお喋りしていて

真面目に授業を受けているのは、前方を陣取っている人たちだけ。

雑音が消えない教室では、一年中マスクをした人が

前回の授業と同じ内容をやっている。

もうそれはやったから、予習した部分に進んでほしい。

昔の人のやったことなんて、どうでもいい。

それよりも今を生きる人たちにとって役立つことをやってほしい。

人の役に立ちたい。それがわたしが生きている理由だった。



たっぷりと眠らせておけばいいと、10分後にその子を起こした。

肩を揺らしても、起きない。

やっと今日の部分に内容が入った。

聞き逃しがないように、そちらにも耳を傾ける。

「ねぇ、起きて。5分経ったよ。」

あ、メモ取らなきゃ。

わたしは起きないななを放って教科書に殴り書きする。

その子は起きない。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ