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第九部

車の前で、待ちながら勢いで出たためどこに行くかを決めていなかったので、とりあえず鍵を誰かが持ってくるのを山本は待っていた。

「すみません、警部お待たせしました。」

今川が走ってきながら言った。

「ああ、今川が来たのか。」

「加藤でしたか?」

「いや、指示出すの忘れたなと思ってたからどっちが来ても良かったけど。今川が来たなら、どこか車の修理とか塗装やってるとこに連れてってくれるか?」

「犯人の使った車に関してですか?

それなら事件のあった場所の近くで探した方がいいですか?」

「いや、とりあえず、車の専門家なら誰でもいい。」

「わかりました。」

今川は車のドアを開けて、乗り込む。山本も乗り込んだところで、山本が

「黒田課長代理のこと、どう思う?」

「えっ、え~と美人ですね。」

「お前、ああいうタイプが好きなのか?」

「いえ、そういうことでは。」

「あの人がどんな人間に見えたか聞いてるんだよ。」

「なら、最初から言ってくださいよ。何が『どう』なのかわからないじゃないですか?」

「俺達の尻拭いするために、わざわざ九州から来ると思うか?

既に警視にまでなってる人だ。九州で署長とかになる方が楽だろ?」

「確かにそうですね。

あの年齢で警視まで昇進されてるなら、本部長とかもなれたかもしれないですからね。」

「あっちにいた方が全然あの人にとって有利なことが多いはずだ。それを捨ててでも、東京に来て、新設された捜査課に課長、しかも代理で来るなら、何かそれなりの理由があると俺は思うんだが。」

「警視が言ったこと以外に何か目的があるということですか?」

「福岡でも同じようなことをしていたと言っていたことから考えると、もしかしたら福岡の方の組織犯罪対策課にいた時からただのお飾り、課長という名の置物だったのかもしれないな。」

「でも、警視ですよ。簡単になれる階級じゃないですし、そんな階級の人を閑職にしとくのも人材の無駄遣いじゃないですか?」

「まあ、本当のとこはどうかわからないが、あの人を甘く見るときつい目に遭いそうなことだけは確かだな。で、どこに向かってるんだ?」

「僕の先輩で、自動車メーカーに就職した人が整備工に転職したらしくて、この辺で働いているって噂を聞いたことがありまして、場所はわかってたんですけど、まだ挨拶に行けてないのでついでにと思ったんですがダメですか?」

「その先輩は、詳しいのか車に?」

「ええ、一応。法学部の出身なんですけど工学系の知識もすごくて、特に車関係では工学部の人間より詳しかったくらいの人です。」

「頼りになりそうだな。」

「そこに関して、自信をもって紹介できるんですけど・・・・」

「けどなんだよ?」

「実は結構変わってる人で、法学部の中でも政治分野を専攻されていたので、政治論になると熱くなりすぎるところがあって、もしかしたら不快な気分にさせることもありますのでご容赦ください。」

「そんなにか?」

「そんなになんです。」

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